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ザ・スクエア 思いやりの聖域のeitoのレビュー・感想・評価

3.6
主人公が切り取る社会が非常に都市的で、狭義の公共が意識されているなと感じた。あのアパートの向こうにいる人たちと出会うことを想定していないように感じる主人公が美術館にザスクエアを展示することがどれだけパブリックなのか。誰がそこを通って、誰とすれ違うかはすでに決められてしまっているのではないか。それは公共ではない。が現実は常にそうで開かれた場所に招かれてない人たちが常にいる。庭師が興味のない植物に雑草と名付けるようなこと。連帯ってなんなんだろうな〜。

都市的に人が行き交い、博物館があって、ショッピングモールがあってみたいな環境ではない地方において公共性ってどう表現されるんだろう。例えば町内会とか集会所はパブリックなのか。公園は?学校は?
都市的なものの見方はときに象牙の塔にいることを忘れてしまう。

なんかマルクス的な感想だな。映画見てこんなことばっか考えるのもな〜。
更新されることってないよな。

主人公が狂ったようにゴミからメモを探して必死に謝ろうとしながらも言葉の端々に上から目線で権威を捨てられない態度が現れたのは素晴らしい演出と思った。
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