カラン

ミスター・ロンリーのカランのレビュー・感想・評価

ミスター・ロンリー(2007年製作の映画)
5.0
マイケル・ジャクソンやマリリン・モンローの物真似に人生を賭けている人たちの物語。必ず物悲しい展開を辿ることになるはずだし、実際にそうなのだけれど、愛と信の想像力の領域では何人か空を飛ぶ!シスターとか、人形とか。首が引っかかってしまったり、飛行機がダメになる場合だってある。失敗はある。上手くいく場合だってあるんだ。地面から浮き上がる物語。飛べるのか、もちろん飛びますよ、見逃さないようにしてくださいね。想像力!(^^)

ハーモニー・コリン監督の長編3作目。マイナーな存在者への優しく厳しい愛情のこもった視線は前2作と変わらず。冒頭のおかしな人のテイクオフを長ーいスローモションでっていうのは、ああ、コリン監督だーって嬉しくなる。

スカイダイビングがやたらと気持ち良さそう。ヘルツォークも相変わらず素晴らしい熱演。森の中のマリリンは、波打ち際のシスター御一行と同じ。スカートが永遠的に舞い上がる時もある。首が引っかかってしまう場合もある。シスターが空飛ぶ時もあるけど、波に打たれることもある。だから冒頭とラストで、マイケルジャクソンは頑張る。飛ぶんだと。凄いよ、ミニバイクでフィツカラルドより高いところ、遠いところに行くんだね、スローモションで。このクソ真面目な人生への希望をおかしな物真似芸人から取り出すのは、神技。(^^)


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