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ミスター・ロンリーのrのレビュー・感想・評価

ミスター・ロンリー(2007年製作の映画)
4.0
は、、好きすぎる、、、

観進めるほどに違和感が出てくるのは誰も個人の体験や悩みをぶつけ合ったりせず、感情を自分のものとして表に出すシーンがほとんどないからなのかな。
ずっと自分ではない誰かを演じて、外見を似せることで自分自身をも騙して生きている人間が集まっているのだけど、時々見える隠せない悲しみとか欲望とかがその人をその人らしくしていたし、観ていて安心した。
"普通の"自分が嫌で自分から逃げたくて、他人を真似るという一見楽な道を選ぶ弱さは誰もが持っていると思うけど、それによる辛さももちろんある。マリリンが死んだことでマイケルは、自分の人生は今まで死んでいて、自分を生きていなかったことに気付けて、そこから最後の流れも良かった。。
別人になりたい気持ち、わかるよ。

洗礼を受けて新しい人生が始まったシーンが冒頭の方にきていたのもよかった。
絶対的な存在として主を信仰するカトリックの人たちの人生と並行して話が進むのが面白い。シスターだって、主の言う通り、聖書の言う通りに生きているし、そういう敷かれたレールを頼りに生きているのだけど、でも他人としては生きてなくて、どういう風にしてこの二面を引き合いに出したのか真意を知りたい。
一匹が病気だからと皆殺しにされた何の罪も害もない羊もよく表していたなと思った。自分の意思で自分の生き方を決められるのは人間の特権なのだと思う。

(チャップリンはわたしも途中からヒトラーに見えてましたすみませんでした、。)
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