やーすけ

女であることのやーすけのレビュー・感想・評価

女であること(1958年製作の映画)
3.8
女三人、男一人の人間関係を、ドロドロとコメディを行き来して描いた。ジャンプカット、ぬるぬるとした横移動、そして河岸段丘に建つ家のロケーンションの妙と、映画を楽しくさせる川島の細やかな工夫が独特の味わいを与える。とくに、途切れることのない風が人物の心の揺れを暗示するようで印象に残る。唯一、妙子が川にかかった小さな「橋を渡って」刑務所に服役する父を訪ねる場面では、風は止み、ただしんしんと雪が降る。露悪的なオープニング曲で観客を困惑させる(笑わせる?)一方で、細やかで神経質にさえ感じる川島の演出技巧は4年後の「女は二度生まれる」で存分に発揮される。
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