sosukearaki

さよなら、僕のマンハッタンのsosukearakiのレビュー・感想・評価

4.5
青年の忘れられない日々。
おそらく誰かの共感をたくさん呼ぶ、というような作品ではない。
それでも、これまでのマーク・ウェブの作品がそうであったように、
心に一点の灯火のような温かさを与えてくれる作品だと思った。

忘れられたつもりだったけれど、実は忘れられずに心に引っかかっていたもの。
うまく生けていくために、心のなかに隠しておいた本当のこと。
そんな、ひとの優しい弱さたちを、青年のある日々に乗せて描いていく。
まるで何もないように、我々は日々を過ごしているけれど、実は心はたくさん動いている。
青年だってそうだった。本当に色々な感情になる。
その相手も、親も、友人も。みんな色々な感情になる。
それって素敵なことなんじゃない?と伝えてくれるような素晴らしい作品だった。

基本的に人と人がコミュニケーションしている画が多いけど、
その画もいろんな構図があって、どれも素敵だ。
コーヒーを飲みながら話すシーンが印象的だったな。
コーヒー屋のなかから撮っていて。あくまでも彼らはニューヨークの人たちの一部でしかない、
といったような感じで。
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