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熱砂の秘密のmhのレビュー・感想・評価

熱砂の秘密(1943年製作の映画)
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みんな大好きビリーワイルダーのプロパガンダコメディ。
部隊の中でひとり生き残った男が主人公なんだけど、走る戦車から脱出するオープニングシークエンスがさすが。
逆流する排気ガスと、仲間の死体ばかりの戦車から命からがら逃げ出して、それを見送る。
無人(死体は乗ってるけど)の戦車が砂漠をゆくという絵面がいいね!
(トルブクの?)ホテルにたどりつくも、主人公はしばし混乱しており、これまでの流れがわかるようなことを口走るのはリアリティないけど、エンタメ的にはこれで正しい。
ドイツ軍がやってきてとっさに従業員にバケると、その従業員はもともとドイツのスパイ。
連合国の捕虜がやってくると仲間であることを伝え、二重スパイになるとか、複雑な構成をサラッとやってのける。しかもわかりやすい。
戦争中に作られて戦争中に公開されてるのに、ロンメル将軍が実名でガッツリ登場するのもすごいよな。許可取ってるわけないだろうし。
フランス人のウェイトレスが、イギリス人を信用しないシークエンスがいいね。
ダンケルクで見捨てたからという理由。
この頃から、陽気で仕方なく戦ってるイタリア軍というイメージだったのも面白い。
ヒロインとの再会で終わらないあたりがプロパガンダ映画だなぁと思う点だった。
面白かった。
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