ゆっきー

無限のゆっきーのネタバレレビュー・内容・結末

無限(1992年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

7年前から観たい観たい言っていて遂に見る事が出来た伝説の映画。(個人的に)
なんとメキシコまで見に行ったフォロワーさん曰く「メロウなアンゲロプロス」。
その言葉どおりの傑作であった…。。

初老(たぶん60過ぎ)の男が周りから休養を取った方が良いと勧められ街に出向く話なのだが、そこで時制が混乱してきて過去の自分自身、友達、ex達と出会っていく。同じ画面に現在と過去が同居する様子はまるでアンゲロプロス『旅芸人の記録』だが、本作はひたすらメランコリックである。

緯度の高い国ならではの薄暗くも柔らかい光がとても魅力で、主人公は大体窓際に立っておりその光を浴びている。カーテンや草木は常に風で揺れており、これらのショットがとても不安感を煽ってくる。

主人公が街を歩く時、世界との繋がりを感じ取ろうとするかのごとく壁を触りながら歩くのも良い。

麦畑に唐突に現れる戦車、出兵する兵隊(明らかにww2時の装備)と駅に掲げられているロシア国旗(ソビエト国旗でないのが観るものを混乱させてくる)のシーンも良かった。。。

若い頃の自分と横並びで歩くと2人の間に小川が流れ、初老の男は小川を股げないまま歩いていくと、川の幅がどんどん大きくなり、2人はどんどんと離れていく。しまいには海に繋がる。
このラストシーンが途方も無く良いです。

あ、そういえば本作にも夕立ちのシーンが出てきた。当然同監督の『夕立ち』を思い出したのだが、ロシアでは夕立ちが多いのだろうか。。。
ゆっきー

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