まぁ郎

ラッカは静かに虐殺されているのまぁ郎のレビュー・感想・評価

4.0
ドキュメンタリー映画『カルテル・ランド』でメキシコはフアレスの麻薬カルテルの現状と真実をあぶり出したマシュー・ハイネマン監督

そんなハイネマン監督が次なる題材に選んだのは、IS(イスラム国)に乗っ取られISの拠点の本土となったシリアの街ラッカ
アルカイダやISのおかげでイスラム全体に残虐なイメージが染み込んでしまったが、打倒イスラム国を掲げて立ち上がったのは誰でもなくラッカに元々住んでいた同じイスラムのシリアの人々だった

銃殺や斬首など残虐非道なISに対してペンやSNSを利用して記事で対抗し、ISから幾度となく脅迫されながらも故郷を取り戻していく様は真の勇者そのものだった
身の危険から欧米に渡航するものの、難民受け入れ反対のデモに遭ってしまうなど不憫な感じがしてたまらなかった

目を背けたくなるシーンが多々出てくるのは、分かっていてもやはり辛いものがある
しかしこれは、現実でありドキュメンタリーでありフィクションではない

『ラッカは静かに虐殺されている』という衝撃的なタイトルだが、これはラッカ奪還に立ち上がった人々が立ち上げた実在の団体名(映画表記:RBSS)である
映画という媒体のおかげで、彼らの望み通り全世界にシリアの現状・真実を伝えることになった

あとはISの脅威が完全に排除され、平穏な日々を一刻も早く取り戻して欲しいと思った
まぁ郎

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