かぼちゃ

テリー・ギリアムのドン・キホーテのかぼちゃのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

スターウォーズでアダムドライバーの演技に惹かれ、テリーギリアムも知らずドンキホーテの原作もあらすじを知っている程度だが、アダムドライバー目当てで鑑賞。宣伝動画を見てコメディものだと認識していたので、かなり軽い気持ちで友人と映画館へ足を運んだ。
エンドロール後、友人と2人で目を見合わせた。二人とも言葉が出なかった。そのぐらいの衝撃だった。
夢と現実の対比をテーマに描かれた作品だと感じたが、セット、衣装の色彩、音楽、編集効果など、どれも夢と現実を行き来する狂気が表現されていてよかった。夢と現実の行き来、と言う意味では、エンデの「はてしない物語」とよく似た没入感がある気がする。
最初は俯瞰的に見ていたはずが、いつの間にか夢に迷い込み、現実にいるはずの自分すらも夢に組み込まれていたと気づいた時の衝撃は大きい。
その没入感は俳優たちの名演によるものが大きいと思うが、アダムドライバーの醸し出すどことない不憫さ、ジョナサンプライスの見せる狂気の中の孤独感、どの演技も光っていたように思う。
最後の展開は予想外だったし、映画を見た人に「考えさせる」ようにもなっていて、なんとも言えない気持ちを味わった。正直一回見ただけでは拾いきれないものがたくさんあったような気がするので、個人的には少し似た価値観を持つ人と見て、感想を言語化してみることをおすすめする。
かぼちゃ

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