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テリー・ギリアムのドン・キホーテのRIKAOのレビュー・感想・評価

3.8
アダム・ドライバー目当て
ジョナサン・プライスの老練な演技に
釘付け
「我はドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ」の語りにゾクゾクしました

映画監督として認められている
トビーが自ら学生時代に実験的に撮影した
ドン・キホーテを撮影した村に
足を運び騒動に巻き込まれる的な物語

コメディとシニカルさが混じった
何ともいえない悲喜劇ですが
ドン・キホーテを名乗る靴職人の老人ハビエルが
何故この様に名乗っているのか
その本質はどう生きるか どう生きたいのか
ただの頭おかしい老人ではなく
その行動にとてつもない真意と悲哀

ジョナサン・プライスは
老人の真の思いを言葉の端々にのせていて
流石だなぁ…とても魅力的でした!

大好きなアダム・ドライバーですが
コレはファン必見!という位
ずっとアダム出ずっぱりです
トビーという自己中心的な人間が
ドン・キホーテと名乗るハビエルと再会し
振り回されながらも徐々に自身を
取り戻していく感じが素敵でした

アダムの髪型似合いますね!

上辺だけなぞるとなんとも滑稽で
バカバカしいというだけですが
人間の価値悲哀を感じる面白い作品でした

正直全然期待して無かったのですが
劇中のひとつひとつの言葉に格言めいた
ものを感じとても良かったです

テリー・ギリアム
入れたいのはわかりますが
原題のままで良かったと思いました

ドン・キホーテ
作者ミゲル・デ・セルバンテス
名言を調べてみました
この言葉を知るとこの映画の
語りたい物語がみえてきた気がします

喜劇で一番難しい役は愚か者の役であり、その役を演ずる役者は馬鹿ではない

一番憎むべき狂気とは、あるがままの人生に、ただ折り合いをつけてしまって、あるべき姿のために戦わないことだ。

富を失う者は多くを失い、友人を失う者はさらに多くを失う。しかし、勇気を失う者はすべてを失うことになる。

真の勇気というものは、臆病と無鉄砲との中間にある。
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