まぁびっくり

世界で一番ゴッホを描いた男のまぁびっくりのレビュー・感想・評価

3.6
 ゴッホの複製画を描くことを生業としている中国人画家が、ゴッホゆかりの地を訪れる。ホテルで酒を呷り酩酊した彼は、夜の街路を歩きながらゴッホに近づいたという「夢」に浸る。しかしそのあとに続くのはホテルで嘔吐する彼の姿だ。
 この躁的な「夢」――ある意味では悪夢――は、実際に彼が寝ている間に見たものではないが、劇映画ではないドキュメンタリーにおいても編集によってこのような演出が行えることが非常に面白く感じた。酒に酔って「夢」を見るという演出。映像はある意味では目の前で起きていることの複製であり、現実を捉えるものであるが、編集によって虚構を生み出すことができるのだ。
 目の前で実際に起こっている出来事の中から「夢」を切り取ることはできるのかどうか、考えてみたいと思う。
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