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バンブルビーのhi1oakiのレビュー・感想・評価

バンブルビー(2018年製作の映画)
4.1
ライカのCEOでありストップモーションアニメーターで『KUBO』では監督デビュー、そしてナイキの創業者の御曹司でもあったりするトラヴィス・ナイトが初の実写+CG映画に挑戦。
昨今やり尽くされた感のある80年代オマージュを多分に交えた作品なんだけど、トランスフォーマー自体がもともと80年代にヒットを飛ばしたアニメなだけに相性は抜群。
ロボットのフォルムもマイケル・ベイが実写化に際して有機的でガチャガチャした感じにアレンジしたものから、当時のアニメのデザインをベースにした、要は往年のファンにとって“オレの知ってるトランスフォーマーだ!”っていうやつ。全体のデザインの方向性がそっちに寄っているので、バンブルビーの可愛らしさにも違和感が無い。
冒頭のサイバトロンでの戦いは『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー』へのリスペクトでいっぱい。とはいえサービスカットとしてのロボットの大群同士のバトルはそこまで。その後の話は風呂敷を広げ過ぎずコンパクトにまとめているメリハリが今作の肝。
表面的な80年代オマージュに終始せず、当時スピルバーグが製作していたような未知のものに対峙する少年少女の冒険譚や、ジョン・ヒューズ的な青春映画へのリスペクトに溢れている。
音楽で時代感をストレートに表現する映画は多々あるけど、80年代を表すのに“その曲は安易すぎるからもういいよ”っていう一歩引いた視点になっているのも面白い。
そして何よりスピンオフとして、これ1作で『トランスフォーマー』シリーズの見事なプリークエルになっているのが素晴らしい。トラヴィス・ナイトも本来の自分の仕事に戻るつもりらしいし。
『スター・ウォーズ』のスピンオフもこれくらいスマートにキメてくれたらなぁ…。
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