しゅんまつもと

バンブルビーのしゅんまつもとのレビュー・感想・評価

バンブルビー(2018年製作の映画)
3.3
バンブルビーの可愛さだけでなんとか2時間近く見られた。
「KUBO」のトラヴィスナイトに「スウィート17モンスター」のケリーフレモンのコンビであれば、一人の少女の(人間としての自立としても)成長譚の映画になるんだろうなあ、それをトランスフォーマーでやるなんて最高!と勝手に上がっていた。

たしかにそういう映画ではあったんだけど、そういう楽しみかたをするにはあまりに詰めが甘い。些細だけど重要なポイントの説得力がない。
父を失った悲しみと飛び込みができないことの繋がりが心情的なものなのかただのスランプなのがいまいち想像しづらいし、その上新しい家族に馴染めないことまでごちゃ混ぜにされるので、何に悩んでるのかがわからない。故にその解消へと向かうプロセスにカタルシスがなくなってしまう。

一番大事なのは、なぜチャーリーがバンブルビーと心を通わせるのか、ということだけどそのへんも展開を急ぎすぎてると思った。
その後もいろんな小道具を使って信頼関係を築いていくのだけど、カセット、ビデオ、ラジオなんかはすごく良い。劇中音楽の新しい解釈。(だからこそ、他のシーンで80年代ミュージックを垂れ流すのは勿体無い)

あと個人的にないわーと思ったのが、一度壊れてしまったバンブルビーをチャーリーが修理しようとするシーン。
そんなやり方でいいのか????ほんとに??ここでこそ、彼女が父親との記憶を思い出して、そしてそれを未来につなげていくために自らの手で修理すべきじゃない???

軍人の背景とか冒頭わりと時間割いたのにあんまり語られないし、なんか詰め込みすぎ。
MVPはメモ君と弟。