まや

密使と番人のまやのネタバレレビュー・内容・結末

密使と番人(2017年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

三宅監督作品をいくつか観ているけど、本当に掴みどころがないくらいさまざまな作風を撮る監督だなと思った。どの作品も映像として面白いのが共通しているけど、これってすごいことだよなと思った。器用なのかなと勝手にイメージしてしまう。

本作はとても静かな映画で、追いかけっこをするだけの物語だが、とても面白かった。景色の美しさと最低限のセリフ、音楽の現代感。すごく引き込まれて静かな映画のわりに全然眠くならなかった。

どの役者さんもセリフや説明が多くないけどそのキャラクターの背景が見えてその伝わり具合も良かった。音が映画内でここまで大事になってくるのかと緊張感をとても味わえた。

最後の石橋さんのご夫婦のシーンも素敵。外に2人で向かって行く。支え合いながら。その景色の美しさも息を呑む感じだった。他の映画でもそうだが、雪の美しさもとても良い。白って本当強い色なのだなと思った。

音楽と時代のアンバランス感も心地よく、サムライチャンプルーみたいでカッコよかった。

洗練された映像と厳選されたセリフ、音の少ない映像中ではっきり聞こえる息遣い。短い中でも観終わった後にとても充実感があった。
まや

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