爆裂BOX

ボルケーノ in N.Y.の爆裂BOXのレビュー・感想・評価

ボルケーノ in N.Y.(2006年製作の映画)
3.2
N.Y.の地下送水トンネルの工事現場で、突然溶岩が噴き出し作業員3人が死亡する事故が発生。現場責任者のマットは地質学者の元妻スーザンと共に調査に乗り出すが、さらに異変は続き…というストーリー。
「SAW」シリーズのホフマン役等で知られるコスタス・マンディロア主演のディザスターパニックです。
溶岩の話を信じてもらえず、責任を取ってクビにされるマット。その事故を機にニューヨークでは異変が続き、公園で妙に暖かい地下への通気口で暖を取っていたホームレスたちがガス中毒で死亡、水蒸気でマンホールの蓋が飛ぶなどの事態が起こる。マットの証言に注目する元妻で地質学者のスーザンと共にマットは調査に乗り出すが、という内容です。
タイトルの通りに「ボルケーノ」の部隊をニューヨークに移したようなシュチエーションのパニックムービーですね。
冒頭、水道工事の途中に冷却管から蒸気が噴き出し、トンネルの壁から酸が噴き出す事故のシーンは、作業員が腹から内臓出しながら息絶えたり、全身焼け爛れて死ぬ作業員などちょっとグロいシーンがあったのは意外でしたね。割れ目から溶岩が噴き出すのを目撃したマットは、それを報告するもまるで信じてもらえずに首にされますが、元妻スーザンがそこから起きる異変とマットの証言に注目して共に調査していきます。
噴火の原因を安易に巨大地震にせずに、地熱エネルギー開発の為に、利権を狙う副市長とマッドサイエンティストが行う秘密実験にしているのが特徴と言えますね。でも、地球の核まで穴を掘るという大掛かりな採掘作業をニューヨークの街のど真ん中の倉庫で行っているというのは流石に壮大なツッコミ所ですな。もっと人里離れた所でやれよ。
火山活動によっておこる異変は、ホームレスたちがガス中毒で死亡したり、釣り人が河で釣りをしていたら釣れた魚が焼き魚になっててその後船が爆発したり、マンホールが次々空に舞ったりといったものですが、低予算のTVMなのでニュース映像からの流用も目立ちます。マンホールが飛ぶのを目撃した住人が、落ちてきたマンホールが小さな噴水直撃して噴水壊れるのを見て、「アヒルが…!」と浮かべてたアヒルの玩具の方心配するのはちょっと笑いました。家のドアを開けるとマグマが流れ出てくる所もちょっと面白かった。流石にジャケットみたいにマンハッタン島が溶岩で壊滅する!みたいなシーンはないですが、大通りのマンホールが飛んでマグマが噴き出したり、マンハッタン全体が火山灰で覆われるなどCGはチープな所ありながらもスケール感出そうとする描写あるのは良かったですね。
マイケル・アイアンサイドが秘密実験を行うマッドサイエンティスト演じていて、最初は副市長から「いついつまでにやれ!」とどやされたりして大人しめでしたが、後半にかけては実験の中止言い渡されて錯乱し始めて、潜入して見つかった主人公達を副市長のスパイと思って銃突きつけたり、実験に失敗して溶岩の火に焼かれて顔の右半分焼け爛れた姿でも、執拗に主人公達付け狙う姿はその怪優ぶりをちょっと見せてくれましたね。
主人公の元妻役のアレクサンドラ・ポールも美人ですし、作業員達の紅一点の新人女子も美人でした。
市長やFBIたちが続発する事件を「テロ行為だ!」と主張する所はバカすぎて笑いました。スーザンの上司もFBIに管轄奪われてカッカして、スーザンのいう事も「そんな事ありえる訳ないだろ!」と切って捨てる頭でっかちぶりを見せたけど、後半は協力してくれましたね。
後半は地下トンネルを爆破して溶岩の流れを変えて海に誘導しようとマットとスーザン、仲間の作業員達が地下に潜る「アルマゲドン」パターンの展開を見せます。マットの後任の現場責任者のRJは嫌な奴かと思ったけど、普通にいい奴だったな。最後のエレベーターの所はまあなるだろうなと思いました。
エンドロール前に念願かなってカレンダー出来てるオチは微笑ましくて良かったですね。
低予算のパニック映画なので派手なシーンはあまりないですし、科学的な場面もアレですが、そこら辺に目をつむればまあまあは楽しめる作品だと思いました。