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希望のかなたの遊のレビュー・感想・評価

希望のかなた(2017年製作の映画)
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カウリスマキ引退するなんて言わないで、と思ってたけど、このラストシーン見たら これは「カウリスマキ映画のラストシーン」だと思えるような説得力があった いち作家の20作近いフィルモグラフィの結び方として文句なしにキマってる

ブレッソンの作風にユーモアと饒舌な音楽を違和感なく融合させているのがカウリスマキの作風だと思っているけど、今までのどのカウリスマキよりも「音楽」が作品の核を担ってた、なんならレニングラードカウボーイズよりも 音楽がもつ救済の力 台詞では一切言及されないけど

全て失った人間のリスタート、という物語はいつも通りで、"脱走"は真夜中の虹、"レストラン"は浮き雲、"急な日本要素"もラヴィドボエームで観た、"難民"は近作ルアーヴルの靴みがきだし、本当に集大成だ
ある瞬間に主人公も物語もグインと走り出して、そこに最高の音楽が最高のタイミングで入って追い風が吹きすさぶ感じなんか処女作の罪と罰からずっと同じことをやっている、ずっと同じことをやり続けるって本当に素晴らしいことなんだって心から理解した 本当にありがとうカウリスマキ でも全然前言撤回して新作つくってもらいたいとも思っています
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