歯医者のお姉さん

希望のかなたの歯医者のお姉さんのレビュー・感想・評価

希望のかなた(2017年製作の映画)
3.8
スシやめてwww 給料の前払い列にグーサイン出したり、水だけど水じゃなかったり、鼻に仲良くティッシュつめてんの笑った、犬の隠し方子供か。間違いなくこの笑いの取り方はアキカウリスマキ監督なんだけど、アキカウリスマキ監督らしくないところがあって???になってしまったので、この謎について考えたい。


以下ネタバレ





















謎①アキカウリスマキ監督といえば"真顔"だけど、ラストで笑顔を見せたのが印象的だった。

お世話になったレストランに迷惑をかけないよう去った主人公。病院には行けないし、傷が浅くとも一人で逃げ切るのは困難を極め、妹も送還されるだろう。絶対笑える展開じゃないし、しかもこれは他でもない、真顔の魔術師アキカウリスマキ監督の作品なのに!ということで悶々としてしまい考えた結果。

このどうしようもない結末を少しでも、彼に安らぎを少しでも、という自身のキャラクターへの愛情から笑顔とワンコを与えたのではないか、というところに落ち着いた。ラストを詳細に描かないところも監督の優しさなのかもしれない。





謎②弱者の味方アキカウリスマキ監督。いつもはどんな困難でもハッピーエンドで終わるのに、今作はハッピー要素が微塵も見つからないラストだった。

希望のかなた、って邦題を見て深く考えずに希望のある作品なのかな〜なんて観始めたのだけれど、まさかのバッドエンド!希望のかなたの"かなた"ってはるか向こうってことで、希望は遠い、ってことか!これは詐欺だ!とラストになって発覚。何度も言うが弱者の味方アキカウリスマキ監督が何故!と色々考えた結果。

深刻化する難民問題を扱う上で、切り口は喜劇的だけれど、弱者の味方であるがこそ安易な結末にはしなかった、できなかったのではないか、というまとめに。





結論
現実を晒し訴えるという目的とともに、登場人物をあまり苦しめないようにと愛情を持って接することができるアキカウリスマキ監督好き