希望のかなたのoyuのレビュー・感想・評価

アキ・カウリスマキの世界はいつも優しい。彼の作る映画は、たぶん彼が人間に向けるまなざしそのもの。
希望のかなたの登場人物たちがカウリスマキ作品では珍しく饒舌だったのは、それだけ今語られるべきことがあったからなんだろうと思う。
難民3部作の2本目は現実に起こっている問題のよりシビアな部分を伝えるものだったけど、つらい者同士の助け合いや慰め合い、ピュアすぎる人間愛、ちょっと変で楽しいエピソード、そして監督からキャラクターに施される慈悲みたいなものの素敵さが、一層際立つようだった。