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名もなき野良犬の輪舞の映画初心者のレビュー・感想・評価

名もなき野良犬の輪舞(2016年製作の映画)
4.6
大傑作。画面、演出のアイデアの数々。「新しき世界」と類似した作品ですがこちらの方が上手。韓国裏社会系の作品、3つ4つほどしか見ていないですがその中で断トツ1位でした。

Gyaoで鑑賞、Gyaoが無かったらこの映画出会ってなかったかも、Gyaoは3月に死んでしまいます、悲しい。

潜入調査として刑務所に麻薬取引で逮捕された男と出会う新人警官。そして彼等は次第に信頼し合い、バディを組むことになっていくが...

あらすじからして「新しき世界」やないかと思いますが、しっかりとこの作品の良さがあります。とにかく印象に残るシーン、演出的に見どころがあるシーンが10分に1度の頻度で登場し、それが最後まで続く。「シンゴジラ」のように画面を作ってやるぞという意志を感じる映画。明らかに絵コンテを作ってますし、アイデア力満載で最高。

お話として、刑務所以前、刑務所中、刑務所後の3つの時間軸を行ったり来たりする構成。これによって、定期的に見せ場が出せるということができています。まず、画を魅せるための構成力の勝利ということでしょう。そして、2人の熱い友情。「新しき世界」では熱いながらも爽やかさがありましたが、こちらはずっと重く熱い。「人を信じるな、状況を信じろ」という言葉を軸に、人を信じるべきか、状況を信じるべきかと主人公が葛藤していく姿が描かれます。

映像、演出に関して言えば、全編見ろという他ない。アニメっぽいレイアウトやカメラワークが多い。これ絵コンテ作ってるな感はあります。ただ、中盤の乱闘シーンの横にも縦にも回転していくカメラワークはアニメじゃ見たことがなく印象深い。それ以外も強烈なアイデア、印象的なものばかりだった。

もったいない点。それはラストにかけて結果が見えてしまっていることですかね、映像演出で盛り上げているのでさほど気になりませんが。

【総評】
大傑作でしょう。映像と演出があまりに面白い。韓国の裏社会系の作品の中で断トツに好き。もう映像見るだけで楽しいですし、お話としてもしっかり展開尽くし、意外性のある展開等も差し込まれ、お話好きな人も楽しめるでしょう。オススメ。
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