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パーフェクトワールド 君といる奇跡のmatchypotterのレビュー・感想・評価

3.3
《日本の恋愛の映画》、Vol.5。

2連続LDH、いきます。
岩ちゃん、カッコいいね。普通にカッコいい。
学生服、似合うってすごいな。

そして、この“ハンデ”を背負ってる佇まい、所作、微妙な表情、どうしても出てしまうコンプレックスや悩み、負い目、無理して出す元気。

この辺の醸し出される雰囲気が思ってよりもリアルだった。

杉咲花、逆に社会人と学生の間ぐらいな曖昧なバランス。あどけなさの中にある力強さ、みたいな。健気で真っ直ぐ。
「わたし、何でも受け止めますから」
その献身性。癒やされるわ。

事故で脊髄損傷で下半身麻痺の車椅子の彼。
そんなことは梅雨知らず、偶然の再会でそれを知り、驚きを隠せない彼女。

そこから彼らの、そして、かつての彼女の“初恋”の歯車が再び動き出す、、、。

動き出すんだけど、うまくいかない。

彼はハンデを背負った時から1人で生きていくことを決めた、という意地を張った決意があり、それがなかなか固い、、、かと思いきや、、、。

彼女の強さがそれを凌駕する。恐るべき、想い。

“ハンデ”は当人たちだけではなく、周りの人への影響が大きい。

もともと色々と手を借りてたり、心配されてる。
だから、付き合うことや、立ち向かおうとすることに対しての反響が多い。

当の本人たちもただただ普通の日常の幸せを願うだけでも大変。
強き思いですら、本人達にのし掛かり、結果的に現実を突きつけてくる場合もある。

人は、色々と思わぬ困難に直面する。
人生や意志ををへし折られるほどのざせつを味わう。
これは見た目の“ハンデ”を背負ってようが、そうでなかろうがそれは起こる。
人生、思い通りにいかないことの方が圧倒的に多い。

それでもどこかで折り合いつけて生きてて、その中で何か小さな喜びやチャンスを得る。
困難に直面するから、喜びを喜びと思える。

もともとできてたことができなくなってしまったことの辛さ、悔しさは計り知れない。
何かをしてあげたいのにできないことの悲しさ。

それとはちょっと違うかもしれないが、「もしも、自分に◯◯ができたなら、、、」と思えることは生きてれば何度も起きる。毎日何かしら思ってる気もする。

そういうことに対してとにかく向き合って1つの答えを出そうとした映画。
ただちょっと“ハンデ”に“ハンデ”感というかドラマチックさを出し過ぎてる面はあって、最後はスーパー急展開だけども。

どんな人であれ、それぞれの思いや苦悩を色々背負って生きていて、そして、それは人は1人で生きてるわけでもない。

どっかで何かを支えあってる。大切な人と生きてくことでも楽しいことばかりではない。

是枝くん、須賀健太じゃないか。すっかり大人になったな。前に2.5次元の劇場も観たけど、彼、優しい雰囲気の中にシャープなキレというか、切れ味の良い力があるな。


F:1613
M:5703
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