美味しい飴を作るために。
かなり前に観ていましたが、レビューするタイミングを見失っておりました。
本作は、『マイリトルゴート』のような鋭いテーマ性もありませんし、『あたしだけをみて』のような物語におけるツイストも少ないように感じました。
オチも『日本昔ばなし』的な、普遍的な教訓の延長線上でしかなく、1本の作品として物足りない印象でした。（あくまで私の解釈なので、未鑑賞の方はご自身の目でお確かめ下さい。私が変な見方をしている可能性もありますので！）
いつもいつも描くべきテーマ性がなければならない訳ではないですが、本作に関しては盛り込もうと思えば幾らでも深みが出せた題材、アプローチだったため、勿体ないなと思った次第です。
ファイルを飴にし、その美味しさで出来がわかるという発想は面白いですし、言わずもがなストップモーション・アニメーションのクオリティも毎度の如く高かったです。
劇伴も場面場面にコミットしながら、作劇を的確に盛り上げられていて、特に主人公のアオコが同僚に襲われる一連のシークエンスは劇伴も相まって、素晴らしいものになっていたと思います。
総じて、アニメーション技術の高さに目を奪われつつも、普遍的なテーマ性を受け取ることになる作品でした！
