Itsu

南部の唄のItsuのレビュー・感想・評価

南部の唄(1946年製作の映画)
3.0


卒論のテーマとして教授に買ってもらったこの映画。ディズニーファンとしてずっと観たかったのでとても嬉しいです。これから丸暗記するほど観る羽目になるわけですが。

あらすじの代わりにこの映画の背景を。
本作はTDLにもあるアトラクション、〝スプラッシュマウンテン〟の基になった映画です。認知度が低いのはおそらく廃盤になっているから。元は小説なのですが、舞台設定として『南北戦争後のアメリカ南部における白人と黒人の理想的関係』を目指しているというのがありました。しかしながら、劇中の白人と黒人は典型的なその主従関係であり、むしろ黒人からはへりくだった様子が見受けられました。これを理由に、公開約40年後の1986年、全国黒人地位向上委員の訴えにより廃盤が決定しました。

ディズニーにしては暗い過去を持つ映画ですが、アカデミー賞を受賞するなど公開当時は大変評価されていました。
80年ほど前の映画でも、今観て面白いと感じれるあたりよくできた映画だと感じます。お馴染みの音楽に合わせてアトラクションのシーンが出てくるのは現代っ子ならではの楽しみ方かも。

大半が実写部分ですが、実写部分も良くできていて観やすかったです。主人公は際立って存在する訳ではないのですが、物語のキーマンであるリーマスおじさんの語り口はとても優しく、歌は耳心地いいものです。もちろん当時の黒人の地位と言うものも垣間見ることができますし、複雑なストーリーでもなくディズニーらしいハッピーエンドなので楽しんで観ることができますね。入手は多少困難ではありますが、ぜひ機会があれば。
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