「もし選ばれても必ず3つの約束を守らなくてはいけない。1つ目は脚本。少女のために物語を書かなくてはならない。2つ目は撮影。その脚本で映画を作る。たとえ何があっても途中でやめたらダメ」
「最後の約束は何ですか?」
「それがねぇ…最後の約束は知らないんだよねぇ」
いや〜キショかったですね。絶対無許可で撮ってるであろうシーンがまぁまぁあっておもろかった。一般人が普通に映りまくりだけど、やっぱ自主制作はそうだよな!
案の定、女性を可愛く美しく撮るスキルは圧巻としか言いようがない。嫉妬まで覚える。それでも、盗撮の演出によって観てるこっちもハラハラするわけですが、やはりド変態。やはりオタク的。たしかに庵野秀明っぽいわ。そうなるまいとして何とか逸脱しようとしてたけど、結局は同じであるという…。監督なんてエゴイストだから、自意識を投影するわけですが、隠そうとしても露骨に出ちゃうもんですね。全編に滲み出る自意識、相変わらずの一空スタイル。こういう撮り方でしか魅せられないのが強みでもあって、弱みでもあるなぁ。
"南、町に行く"のエモい写真羅列のカットは最高だったけど、花に嵐と比べるとバチバチにイケてるカットが少なかったし、タイトルコールも曲調が違うだけでパターンが花に嵐と同じという。あと文字の演出が全部ダサかったなー。
創作にありがちな、とりあえず何か創りたいという欲求だけが独り歩きしておかしくなっちゃうやつ。結局、最初のテーマとか目的とか忘れちゃって有耶無耶になるけど、創りたいという衝動自体は、純粋無垢で尊いものだ。創作をしている人間なら、この愛おしさは身をもって分かるはず。本作は、現実(フェイク)と映画の中の映画と妄想が何度も入り乱れてごっちゃになる。創りたいという衝動を映像表現として上手く落としこみつつも、映画そのものに対して批評的に切り込んでいたのはお見事。加えて、映画とは一体なんなのか、そして映画のためならば全てをどんな事でもするのか、を踏まえて自身に対しても問いかけているようだった。まぁその結果よー分からんで概要できるようになっちまってたけどね。
p.s.排水溝の掃除のとこだけ汚い&キモくて見れんかった。