この作品はウディ・アレン以外の監督が撮っていたら、ただのつまらない不倫映画で終わったと思う。
そうはさせないのが監督のすごいところ。
演劇のような切り口とストーリーラインはさすがだし、後半につれてナレーション役も担っていたミッキーが軽いノリでなくなっていくところも軽妙だった。
とにかくケイト・ウィンスレットの演技がすごい。
あの若さで実年齢以上に見える古くささ、中年女のずるさや弱さを完璧に演じていて、落ちぶれても自分は舞台女優だったのだというジニーの誇らしさを忘れていないように演じているのが本当にすごい。
母であり、妻であり、愛人であり、元女優で、そしてウェイトレスという色んな面を演じているが、どの表情も美しくて印象的だった。
ちょっとほろ苦い、大人のための映画。
