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チェルノブイリハートのsaskiaのレビュー・感想・評価

チェルノブイリハート(2003年製作の映画)
4.0
チェルノブイリ原発事故16年後のベラルーシを映すドキュメンタリー。

史上最悪の被害を招いたチェルノブイリ原発事故から30年が過ぎた。いまだに廃炉作業のめどはたっていないそうです。

先日、ウクライナ政府がチェルノブイリ原発の世界文化遺産登録を目指していることが報道されていましたが、私の認識では世界遺産は名誉あるものに与えられる称号だったので違和感を感じた。
風化させてはいけないことだし
重要な遺産には違いないけれど。

原発なんて廃止する以外の選択肢はないと思っていたけど調べたら、太陽光や風力は、安定した発電を見込めないため
昼夜を問わず安定して発電できる原子力の代替の役割を担うことは難しいとのこと。
チェルノブイリの惨状を誰もが知っているのになぜ原発を廃止しないのかと思っていたけど、今の生活を維持するためには必要なものなのかと思うとどうすればよいのか途方に暮れてしまう。
いつか代替できるものが見つかりますように。

“チェルノブイリハート”とは心臓に穴があく疾病のことだそうです。

精神病院に入院している親に捨てられた子どもたちの多いこと。
彼らの体の状態は正視できないようなひどい障害を持っている子もたくさんいた。
辛くて辛くて胸が張り裂けそうになった。

健常児が生まれる確率が15~20%って少なすぎる。

年間300人の子どもたちが心臓手術を必要としている。
順番待ちの子どもたちの大多数が2年から5年の間に亡くなる。

ベラルーシの国土の99%が放射能に汚染されているという信じられない事実に震えた。国中のどこに住んでも安心して暮らせない。かといって国外に移住することも容易ではない。ベラルーシの人たちは毎日どんな気持ちで暮らしているんだろう。

福島は大丈夫なのか心配になった。
子どもに影響は出てないのかな。
報道されていない気がするけど
私が知らないだけなのかも。

後半、チェルノブイリ近辺に住んでいた人が20年ぶりにアパートに戻るのだが
ゴーストタウン化したアパートが時間の経過を物語っており、何とも言えない気持ちになった。

“人間は国境を作りましたが地球に国境はありません。
誰もがバラバラだと思っていますが
実はいのちはみんなつながっています
このことは否定できません”

地球はひとつしかない。
地球に住んでいるひとりひとりが地球を大切にしないといけないのだ。

いつか必ず氷河期が来ると言われているけど、それまでは地球に優しく生活して欲しい。

30年も経ったのに廃炉作業のめどが立っていないチェルノブイリ。
東日本大震災の復興もまだまだ先だろう。
近々また別の地震が必ず来るようだし、地震が怖い。
東日本大震災を教訓にして少しでも被害を最小限に抑えられることを願う。

とにかく世界の原発が少しずつでいいから減っていきますように。

長くなってしまいました。
読んでくださった方、ありがとうございます。

辛い現実を突きつけられるけど
知るべき事実なのでおすすめです。


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