【葬儀屋の身構え】70点
ーーーーーーーー
監督:加門幾生
製作国:日本
ジャンル:ドラマ
収録時間:111分
ーーーーーーーー
公開当初からやや目をつけていた作品でしたがすぐ終わってしまったため断念。すぐ終わるということはあまり評判が良くなかったのかとも捉えれますが、扱うテーマは非常に良いものと思いました。ただし、こういう系の映画で涙が出ないのも久しぶりでした。悪くはないですがもうすこしいけたかなという感じでした。主演はコロッケですが滝川広志として出ています。
とある葬儀屋の部長を務める水島は、ある日茶髪の若者高梨の面接をする。それ以降、水島と高梨で葬儀の仕事をしていくのだが。。
葬儀屋を扱う作品はそれ程多くありません。伊丹十三の『お葬式』は遺族からの目線ですし、『おくりびと』とはまた少し違う。いわゆる葬式オムニバスなのですが、回を重ねるごとに高梨は成長していきます。葬儀屋は涙を流してはいけない。何故なら遺族に感情移入すると職務を遂行できないからです。これはほかの職業にも言える至極真っ当な意見でしょう。ただし、高梨は慣れていないため遺族のために涙を流すし、式中の無礼な高校生を怒鳴りつけるなどの荒技をしていきます。そんな無垢な姿をみて様々なことを考えるベテラン水島。ベテランが故に心が乾ききってしまっていて、新人から何かを学ぼうとしていきます。やはりこれは大事な姿勢でありましょう。何事も慣れてきた時が一番恐ろしいものですから。
そもそもこんなふざけた面接をする希望者なんているのかなど根本的に首をかしげるところもありますし、割と淡々と葬儀が終わっていくので脚本としては弱いところ。ただ、やはり泣かせにきている部分もあるので、人は常に死と隣り合わせなのだということを再確認しましたし、別れは辛いものですが自分を成長させるものだということも理解できました。