おーもり

映画ドラえもん のび太の宝島のおーもりのレビュー・感想・評価

4.4
リメイクの呪縛から逃れ、去年に引き続きオリジナルで勝負しに来た今年のドラえもん。
本当に、本当に楽しみにしていたし、続々と披露されてくる作品情報にワクワク待ちかねていました。
期待を裏切らぬ大満足です。本当に良かった。
作り手側もドラえもんが本当に大好きなんだなぁと伝わってきた。

開幕、ぬけるような青空と日差し。ドラ映画らしい夏のお話。
いつもより柔らかい絵柄で、いつもの調子でのび太のしょうもない思いつきと意地っ張り炸裂。
偶然が重なりいざ大冒険へ!この流れがとっても昔からのドラえもんっぽい。
ぞくぞく登場する秘密道具で楽しく冒険する様子。
トラブルに巻き込まれ、ダメダメなのび太がふりしぼる勇気。
男気を見せるジャイアン&スネ夫。
サービスショットも有りめっちゃヒロインする静香。
静香を助けるために敵船にしがみついて海底まで引き下がらないのび太(泳げないのに)..!
その後の男の友情を魅せる嵐のシーンでももうホロリ。

ゲストの味方キャラも敵キャラも最高に好きになった。
まさかの未来人。23世紀~24世紀人?
ドラえもんがガンガン道具使っても限界がでてくる新しい展開。
フロックはマジイケメンだし、クイズは造られた経緯や、後半の思い出クイズに泣かされるわ、セーラの飯テロえげつない。
そしてシルバー船長。妻の死から身も心も堕ちていく姿や、色々な想いを抱え込んだバックグラウンドが終盤に涙腺へ襲い掛かってくる。
もうね、エンディング間近では嗚咽で震えて、私の周りのキッズたち引いてた気がするわ。

のぶよドラ時代は、ドラえもんが保護者的な立ち回りをして、のび太達を身を挺して守るって展開の良さがあった。
わさびドラからは、もう一歩のび太に寄り添って友達的な立ち位置になった。
これによって「ドラえもんがのび太を助ける」という構図から、「ドラえもんものび太も助け合う」という話が作りやすくなったように思う。
そこから生まれる友情やバディ感、そしてのび太の持つ魅力が描きやすくなってより感動が生まれやすくなったと感じる。

何故のび太の叫びが届いたのか?に対する後付けとはいえ、のび太を現すあのセリフを持ってくるとは。
シルバーの見た未来とは、地球のエネルギーを奪った世界線だったのか?この先彼ら親子が、地球が、どうなってしまうのか。そこはあえて描かない。

最後にのび太とパパの関係もしっかり描いて、ピタリと着地。
星野源の「ドラえもん」が流れ、歌詞の意味を噛み締めながら涙を拭って幸せに劇場をあとにしました。
キッズ達もみんな歌を口ずさんで帰っていってた。父親になったらまた観たいなぁ。みんなにオススメしたい。