くじら

偽りの忠誠 ナチスが愛した女のくじらのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

 アマプラで期限が来たので鑑賞。
 ドイツ語のシーンでも全部英語だった?のが残念。話としては愛と正義に揺れるラブロマンス?だった。そして邦題の付け方が相変わらずおかしい。exeptionて単純に和訳したら例外では?ブラント大尉もミーカも元皇帝もこのナチスの支配下では例外の人たちだからなのかなと思った。

簡単あらすじ
 元皇帝の護衛の任務を言い渡されたブラント大尉。元皇帝は皇帝時代のことを引きずったままだった。また、ここにイギリスのスパイがいるとの情報を聞く。
 ブラントは屋敷で働くメイドのミーカと肉体関係を持ち、急速に惹かれあっていく。ある時寝た後にミーカが自分がユダヤ人だと明かすも気にしないと言うブラント。ブラントは実はナチスが女子どもを惨殺した場に居合わせ、上官を殴った事があり、その時の死体を何度も悪夢で見ると言う。またブラントはミーカの部屋に銃を整備した跡を発見し、ミーカを疑う。ミーカは実はスパイで、村にいる牧師の諜報員と通じていたのだった。
 SSのトップヒムラーが皇帝に会いに来ることになり屋敷に調査が入る。ブラントはミーカの部屋を捜索するも何も出てこない。しかしその後ミーカが足早に去っていくのを見て牧師と話すのを見てしまう。通信を検知する装置で牧師がスパイだとバレ、ブラントはミーカがスパイだと確信する。ミーカに詰め寄るもお互い自分のすべきことをすると言われる。お互いの気持ちと信念あるいは国のために揺れ動く。
 実はヒムラーの来訪は元皇帝を持ち上げ残った君主制支持者らを排除するための罠だったと知らされるブラント。自分の正義に従いそれを元皇帝の部下に伝えて、さらにスパイだとバレたミーカを助ける。その後ミーカが無事にロンドンに逃げ延びた連絡が来る。ミーカは妊娠してた。

感想
 ナチス支配下当時の価値観、その前の皇帝時代の価値観、それをどこか現代的な?価値判断を持つブラントによる対比が良かった。ナチスの優勢主義の恐ろしさやユダヤ人迫害をブラントが嫌悪し、それに対してミーカが今はあれが正義なのよと言っていた事が印象的だった。また皇帝もヒムラーの話を聞いて皇帝に返り咲くという夢を諦めたシーンなどの描き方も良かった。
 ブラントに言われてミーカが裸になったのも、逆にミーカがブラントを裸にさせるのも印象的だった。最初は身体だけの関係になるのかなと思ったらお互いの心の傷をさらけ出して寄り添っていく描写が丁寧だった。あと愛と正義で揺れるシーンも良かった。
 ブラントとミーカ2人の愛を見守る皇帝も面白かった。ミーカを逃すところがちょっとコミカルになってていい。
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