原作は途中まで既読。芸能界、特に演劇界を舞台にしたファンダジー要素ありのサスペンス。
今作は原作の丹沢ニナ編を映画化したもので、掘り下げて描くキャラも累とニナくらいと漫画原作作品の怖さである、説明不足がなく。とてもまとまりが良い。
加えて、W主演の土屋太鳳と芳根京子の熱演もあって、良い作品だと感じた。
前半は、キャラとしてお世辞にも性格が良くない2人がマウントの取り合いだの男を巡ってだのでキャンキャン言っていて、やや退屈で胸焼けしていたが、後半からは累の狂気とも言える劣等感と執着心がどんどん見えてきて、スピード感のある展開と演出がとても楽しかった。
特に今作の特徴である顔を入れ替える口紅の欠点と舞台「サロメ」からヒロインの累が感じ取る狂気がリンクし始めてからは楽しく観られた。
方向性はやや違うが、「ブラック・スワン」にも通じるものがあったように思う。
