モモモ

ハッピー・デス・デイのモモモのレビュー・感想・評価

ハッピー・デス・デイ(2017年製作の映画)
4.0
前評判を裏切らない隙の無い脚本の傑作青春ホラー。劇中の台詞通りのホラー版「恋するデ・ジャブ」の決定版だ。
とにかく構成が見事で「予想を程よく覆していく」物語展開と演出術が見事だ。
特にループ2日目のホラー演出(それを支える脚本)には唸らされた。「来るか…?来るか…?来ない…うわ!来た!…勘違いか…。来るか…?来た…いや勘違い…」な二転三転劇に目が離せなかった。その末に行き着く顛末がスケアジャンプとは程遠い呆気無い物なのも最高だ。
1幕目で存分にホラーを楽しみ、2幕目からは犯人探しを主軸に置く王道サスペンス&ホラーループをコメディテイストが物語を加速させる。
そして来るべき3幕目で種明かしを済ませ傑作ホラーの定番「タイマン」で物語が終結したと思えば…更なる「覆し」。「学内サスペンスでは無い」と思わせてからの「やっぱり学内サスペンス」と言う気持ち良さ。
物語を通して「愛想の悪いビッチ」が魅力的に感じ「愛すべき我らの主人公」に変貌していく様も良い。
「ダメ人間がループを通して己を見つめ直す」様は正に冒頭で述べた通りのホラー版「恋するデ・ジャブ」だろう。
そんな観客のツッコミを先回りする様に劇中人物に言及させる抜け目の無さ、そして言及する人物が映画好きである設定の無駄遣いの無さ、とにかく隙がない。
スラッシャー映画ではあるがゴア描写とは無縁の作品なので家族みんなで楽しめる事だろう。
続編は更なる傑作らしいが、今から観るのが楽しみだ。
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