Terzaghi

祈りの幕が下りる時のTerzaghiのネタバレレビュー・内容・結末

祈りの幕が下りる時(2017年製作の映画)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

総評として佳作だと思う。5点

脚本でコケてる感があります。それぞれのプロットは良かった。加賀恭一郎の母と親しい彼、浅居博美の父と母、教師、同級生。それぞれの点が線となって繋がり物語は佳境にすすんでゆく。物語の仕組みは流石東野圭吾と思わせる血縁や愛情の激流に押し流されるパターンである。

しかし色々と不満がある、せっかく浅居博美の母役に木村緑子を使ってるのに、毒親の描写が殆どない。もったいない。警部?の春風亭昇太は不要。小ネタを仕込んだつもりかもしれませんが、不要。あれで興ざめ。20歳の浅居博美を飯豊まりえにやらせる必要があったのか疑問。後半浅居博美が毒親に詰め寄るシーンは迫力が足りない。精一杯の顔芸だったかも知れませんが怖くない。あれでは鬼になれない。この物語は浅居博美が鬼に成りきらないとツッコミどころ満載と揶揄されるよ。鬼だよ、鬼、沸点を超えた怒りと哀しみを地獄から蘇った鬼のごとく紅蓮の炎で焼き尽くすんだよ。それくらいの所業をやってる感が無い。あっさりだ。東野圭吾は若い女性を鬼に仕立てるが、謎解きメインで描写が甘い部分が多いので仕方ないかもしれませんが。

しかしながら、そういった寸足らずな部分を浅居博美の少女時代を演じた桜田ひよりがカバーしているとも言える。あのトンネルシーンがなければこの映画は凡作に終わったであろう。

肝心の主役、阿部寛は阿部寛してた。可もなく不可もなく。
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