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祈りの幕が下りる時の328のレビュー・感想・評価

祈りの幕が下りる時(2017年製作の映画)
3.0
小説版加賀恭一郎シリーズの最新作「希望の糸」を文庫化に合わせて読みました。

最近ではイマイチな作品もたまにありますがなんだかんだ面白い東野圭吾著書。
実写化作品はさらに当たり外れあると思います(当然ですが)。
SFチックな「人魚の眠る家」「ナミヤ雑貨店の奇跡」などは残念な部類。エンタメ要素の強い「マスカレード・ホテル」シリーズ、「天空の蜂」なんかは良くも悪くも想定通り。「白夜行」「幻夜」と言った一昔前の大作ものは(記憶の中では)良作。個人的には松田翔太主演でドラマ化された自虐ネタたっぷりの「名探偵の掟」がお気に入りでした。
で、比較的現実的な世界観でミステリー、且つ人気シリーズの「ガリレオ」と「加賀恭一郎」作品はドラマ、映画とも原作ファンとしても好印象、好きな部類です。
それぞれ物語の雰囲気も原作に近く、出演陣も原作イメージを壊すことなく更に新たな魅力を吹き込んでくれています。主演の風体が両作の持つテイストの違いを表していますね。

にしても加賀恭一郎役の阿部寛たるや。他の出演作より阿部寛色は薄めているように感じますが、それでも画面上に溢れかえる阿部寛から放たれる何か。存在感と目力だけで犯人を追い詰めてしまいそうな阿部寛。向かい合う田中麗奈と松嶋菜々子が立ってられないのではと心配になる阿部寛の濃ゆい色気。

ということで、阿部寛に耐えられること前提で原作ファンは満足できる、原作未読の方もきっと楽しめる一作です。
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