ミミック

桜桃の味のミミックのレビュー・感想・評価

桜桃の味(1997年製作の映画)
3.9
自分のある目的のため手伝い人を求めてひたすら車を走らせる妙齢の男性。
劇中に出会うクルド人の若兵士、アフガニスタン出身の神学生、トルコ人の博物館勤務のおじいちゃん等との会話から透けて見えるそれぞれの生活や死生観。
砂利や土ぼこりにまみれた迷路のような蛇行する道をひたすら廻ってから街へ降りると、そこには市井の人々が当たり前の日常を生きている。
主人公の目に映る景色はどう変化したか。
カップルに写真を頼まれてファインダーを覗いた景色を見て、何か感じるものがあったのかな。
『ホーリー・マウンテン』みたいな解釈の余地を与える終わり方には面食らったが、あれが監督にとっての"桜桃の味"であり見ている人にとっての"桜桃の味"もきっと見つかるというエールなのではないか。
手元に置いて今よりも人生に絶望したらまた見よう。
ミミック

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