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ボイス・フロム・ザ・ダークネスのTMのレビュー・感想・評価

2.2
ホラーでもなくサスペンスでもなく、雰囲気スリラー系ファンタジー。

何を言っているかわからないと思うが、私も何を見せられたかわからない。
古城に住む少年は、病気の母を亡くしてから言葉を話さなくなった。彫刻家である父はそれを憂い、何人もの看護師を雇ってきたが、誰も彼を救うことはできなかった。
新しく雇われた主人公は、少年との対話を試みる。しかし少年は相変わらず口を開かず、ただ城の壁に耳を当て、亡き母との会話を行っているようだった。

古城という暗く鬱々とした舞台設定に、あえて地味に扮する主人公。しゃべらない少年との意思疏通のもどかしさに、淡々と奇妙な違和感ばかりを重ねていく日々。
劇的ななにかが起こるわけでもなく、次第に歯車が狂っていくように、じわじわと真綿で首を絞めていく系のお話。
ちなみに原題は『闇からの声』じゃなくて『石からの声』。で、壁に耳をつけて声を聞いたり、近くの古い採石場がどうのと、やたらと石を引っ張ってくる。ただ、その意味はよくわからん。
なぜ石なのか?そのあたりの謎は、考察したい人がすればいいと思うけど、少なくともただ見ているだけではさっぱりわからん。だから邦題からも外されちゃったのかなぁ。

とにかく見終わった後に、釈然としない意味のわからなさと、置いていかれた感をものすごく感じる。
え?え……?なんだったの?
わからない私の感受性が不足してるの?でもそれは少なくとも理解力の問題ではない。絶対にフィーリングの方向だ。
考えるな、感じろ!系の雰囲気映画が好きな人ならそこそこ楽しめると思うけど、逃げるな、説明しろ!と思う派の私には合わなかった。
あとこういう雰囲気映画って、無駄にヒロインが脱ぎ出して芸術的おっぱいシーンがあるのなんなんだろうね?
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