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ハンターキラー 潜航せよのyapのレビュー・感想・評価

ハンターキラー 潜航せよ(2018年製作の映画)
4.0
ジェラルド・バトラーがいればハリウッドは安泰だ。
そう言いたくなるほど、俺たちのザ・ハリウッド大作にハマる俳優だ。
ワイルドかつ知的な風貌であることから、市井の人からエリート捜査員やボディ・ガードまでとオールラウンドに演じることができる分、多種多様なオファーが舞い込むのだろう。
今回は、潜水艦アクションだ。
ハリウッドでは、「レッド・オクトーバーを追え」など多数作られており、一つのジャンルとなっていると言って過言ではない。
しかし、アクション好きな私としてはアクションというよりは深海での知略をめぐらすサスペンスという印象が潜水艦ものに対して強く、積極的に観たいとは思わないというのが正直なところ。
潜水艦ものを観るより「バトルシップ」をもう1回観たいという人間である。
そう頭か〇っぽなのである。いや、頭か〇っぽにして楽しみたいのだ。
だって、愛すべきアクション映画ってそういうものでしょう?
その点、本作は心配ない。
ちゃんと俺たちの愛すべきアクション映画になっている。
なぜなら、バトラー艦長率いる潜水艦アクションとクーデターで捕虜となったソ連大統領の奪還というミリタリーアクションという一度で二度美味しい作品だからだ。
残念ながらバトラーによるアクションはゼロだが、今回は現場たたき上げの艦長という卓越した能力と判断力を兼ね備えた魅力あるキャラクターを堪能できる。
「俺はお前たちの誰よりも任務をうまくこなすことができるが、お前たちに任せる。責任は俺が全て背負う」
旨の冒頭のセリフからして熱い。
また、彼と対立する副艦長とのやり取りも熱い!
常軌を逸したバトラーの奇策に対して「軍法会議ものですよ!」と非難する副艦長に対し、「だったら証人としてお前を立たせるためにも生きて帰らないとな」と返すバトラー。
いやー、シビれます。
また、地上戦を展開するアメリカの特殊部隊チームの描写も素晴らしい。
序盤で、チームの新人が訓練に失敗するシーンを作ることで、新人を含めてチームのキャラが印象的で記憶に残る。
そして、奪還作戦の後半、最大の危機を新人が挽回するというくだり。
成長物語として見事に回収されるので、作劇上効果的、かつ観客のテンションも爆上がりです。
そして、バトラー艦長とソ連の潜水艦艦長との互いの立場を超えた友情が激アツです。
(そうです、「T-34」も私の大好きな映画です)
「敵に対しても敬意をもって接する」
「相手は上の命令通りに動いただけだ」
百戦錬磨で様々な地獄を見てきたバトラー艦長ならではの説得力ある言動が物語の展開をしっかりと支えています。
本作のテーマも「信頼が何よりの武器になる」といったところでしょうか。

死んだと思っていたやつが生きていたというアイデアが2回も使われたりするのですが、もはや気になりませんでした。
そもそも、細かいところは気にしてはいけません。
だって、愛すべきアクション映画ってそういうものでしょう?
yap

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