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ブレス しあわせの呼吸のくまくまのレビュー・感想・評価

ブレス しあわせの呼吸(2017年製作の映画)
3.2
仲睦まじく幸せな毎日を送っていた若い夫婦、ロビンとダイアナ。
もうすぐ初めての子供も産まれようとしていた時に突然、ポリオが原因でロビンが仕事先のナイロビで急に倒れ首から下が全身麻痺で人工呼吸器の助けがないと生きていけない状況になってしまう 。
その後、どのようにしてロビンとダイアナが周囲の人達と笑顔にあふれた時間を重ねていくのかという話。

その子供がプロデューサーとして両親の物語を映画化し、あのアンディ・サーキス長編監督デビュー作。
内容的に重たい話のはずのなに明るく前向きな雰囲気だったのは、ロビンとダイアナを中心に「愛」があふれていたからだと思った。
人生を愛すること。
親子の間の愛。
時には嫉妬も混じる夫婦の愛。
友人たちや兄妹との間の愛。
どうしてもロビンは生きていくために精神的にも物質的にもダイアナだけでなく、周囲の助けが必要になる。
だから周囲の友人たちがロビンを支えているのかと思いきや、実は友人たちもロビンに支えられているのだと
分かるシーンが心に残る。
「しあわせ」の定義は人によって異なるが、この作品の軸にある「前向きに取り組むこと」と「支えあうこと」は道しるべになるのではないだろうか。

アンドリュー・ガーフィールド(ロビン)の表情と声での演技は本当に素晴らしかった。
キュートさと凛々しさが同居していたクレア・フォイ(ダイアナ)。
周囲を固めるイギリス俳優達も良い。
派手さはないが、良質な作品。
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