このレビューはネタバレを含みます
私は好きなタイプの映画だったのですが、好みは分かれると思います。
艶やかな壊れかけの人形のような桜井ユキさんと、幻影じみたオム・ファタールの高橋一生さんのやりとり。ふたりのシーンは常に美しいのに、ひどく空虚で退廃的な空気を纏っている。序盤にバーでアキとカイトに出会うシーン、あまりにカイトが魅力的で、「こんなの好きになっちゃうよなあ」と思いながら観ていました。シアターのインタビューで二宮監督が「手放したくないものが実は一番乗り越えなければいけないもの」と仰っていましたが、アキがカイトに執着し続けるように、呪いのように人生に纏わりつく恋を、一度でも経験出来たらそれはそれで幸せのような気もします。
ラブシーンも現実離れしていていやらしくないので、映像を楽しむだけでも観て損はない映画だと思いました。今度はお酒を飲みながら好きな人と観たいです。
