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トップガン マーヴェリックのAPlaceInTheSunのレビュー・感想・評価

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久しぶりに109シネマズエキスポシティのIMAXシアターで鑑賞。『DUNE砂の惑星』以来。「マーヴェリックは絶対、IMAX環境で鑑賞したほうがいい」どいう意見を複数目にしたので。結果そのとおりだった。
本作のように全シーンをIMAXカメラで撮影した作品は未だ希少、且つロード・オブ・ザ・リング1~3の3本に使ったカット数以上のカット数をこの作品一本で撮影しているらしい。
途轍もない予算と、最新鋭の技術を注ぎ込んだ超大作。


序盤でトム・クルーズ扮するマーヴェリックが上官に「これからは航空機は無人で飛ぶ。もうパイロットは要らない。」という旨の、いわば不要宣告をされる。
これは、トップガンのようなハリウッド大作映画や、トップスターとしてのトム・クルーズへの終焉を示唆している様にも受け止められる。
対してマーヴェリックは「でも今日ではない。」と返す。
映画界を取り巻くあらゆる状況が変容していくなかで、トム・クルーズ主演のザ・エンタメ映画で観客を魅力するんだという意気込みでマッハ10を目指して極限までスロットルを開けていく。そんな作品だった。

前作「トップガン」の劇中で亡くなったバディパイロット・グースの息子ルースターとのシークエンス、
前作ライバル、アイスマンとの再開、
ジェニファーコネリー扮する  との大人の恋愛模様
等々、前作からのファンを納得させるどころか号泣させるシーンが分断に盛り込まれる脚本も素晴らしい。

でもやはり戦闘機でのドッグファイトシーンに一番心を奪われ、見入った。
同じくIMAX撮影に拘る監督に、クリストファー・ノーランがいる。聞くところによればノーランは観客がいかに映画に《没入》できるか、を重要視しているという。
IMAXの大画面で観るトップガンマーヴェリックの没入感は、映画本来の楽しさを思い出させてくれる堪らない体験だった。

クリストファーノーランの『TENNET』はコロナ渦どいう不運も重なり期待したような興行収入をえられなかった。その事が、映画業界の、「劇場公開中心から配信重視」をさらに加速してしまったとも聞く。
対してこの日のエキスポシティは日曜日という事もあってか満席だった。比喩じゃなく、文字通り満席だった。公開時期が違う事は大前提としてもノーラン作品が成し得なかった劇場を満員にするという事をやってのけた。

正直、この映画が自分にとってど真ん中に刺さるような作品では無かった(多分に好みの問題として)。
でも、劇場で映画を鑑賞することを至上の歓びとする者として映画の存在価値を否定できない。感謝。
アカデミー賞レースにどう絡んでくるのかも楽しみ。
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