まーしー

トップガン マーヴェリックのまーしーのレビュー・感想・評価

5.0
前作から36年の歳月を経て公開された本作。
多くの方が絶賛するのも納得。何度も涙が出た。

何より、本作は「36年」という歳月を受容しているところが素晴らしい。
主人公マーヴェリック(トム・クルーズ)に訪れた「老い」に、真正面から向き合っている。
そのため、マーヴェリックの自信や無鉄砲さは、前作と比べて少し鳴りを潜めている。人を動かす方法に腐心する一方、気になる女性を強引に口説くようなことはしない。
こうした円熟味を増したマーヴェリックの姿から、「36年」の歳月の間に酸いも甘いも経験し、人生の紆余曲折があったことが伺える。

スカイアクションも良い。
CGに頼らず、実際に戦闘機に搭乗して行われたアクロバットはリアル。
また、今回のミッションが解りやすい。教えるシーンや予行演習するシーンを通して、観客も知らず知らずのうちにミッションのシミュレーションを行えていたからだろう。

前作のトニー・スコット監督を追悼するテロップが流れたように、本作は前作のリスペクトの上に成り立っている。
前作の相棒の息子とのドラマを本作のメインに据えているのが、その最たる例だろう。
また、マーヴェリックの良きライバルだったアイスマン(ヴァル・キルマー)の登場も然り。
トム・クルーズがヴァル・キルマーの出演を熱望したらしいが、アイスマンの登場が作品に厚みをもたらしていることは間違いない。
実際、二人が会話するシーンを見て、私は胸が熱くなった。そして、嗚咽するほど泣いた。

前作の世界観を踏襲しつつ、「36年」という歳月を上乗せした本作は、数少ない続編の成功例と言えるだろう。
それほどアクションもドラマも図抜けた胸アツ映画だった。
スクリーンで鑑賞すべき作品であること間違いなし。ぜひ、劇場で!

“Don’t Think, Just Do!(考えるな、行動しろ!)”

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あまり前情報を入れたくなかったので、皆さんのレビューをスルーしていました。
これからお一人ずつ、レビューをじっくり拝読させていただきます。