前作も好きだが、まさか前作を超える評価になるとは思わなかった。ここまで白熱した映像が見られるなんて驚きだ。
今作は海軍のエリート戦闘機部隊「トップガン」でかつて活躍した主人公マーヴェリックが、今度は軍事作戦遂行のために若者たちに指導していく物語。
36年前の前作の面々が再登場し、懐かしいミュージックもワクワクさせてくれる。それに加えて、実際の戦闘機とさまざまな技法を混ぜながら、臨場感をたっぷり出してくれる構成が素晴らしい。
ストーリーはシンプルな構造になっている。ロマンスや戦友の息子ルースターとの葛藤などのドラマ要素もあるが、戦闘描写や戦闘機のシーンに時間を多く割いているためか、深く掘り下げられはいない。この映画を見たい人たちのニーズをよく理解していると感じた。私もそれでいいと思った。
シミュレーションで想定以上の成果を出すシーンや敵を撃墜するシーンはスカッとして好きだが、印象に残ったシーンはかつてのライバル兼戦友であるアイスマンとマーヴェリックの対話。
ルースターの扱いに悩むマーヴェリックに対してアイスマンは "It's time to let go"（過去は忘れろ）と答える。ルースターを保護する役目から、一人前のパイロットとして信頼することと、自分が彼に対して過去にしたことよりもこれからどうするかに向き合っていくことを冷静に諭した素晴らしい場面だと感じた。
戦闘機のミッションやドッグファイトをここまで詳細に扱う映画はなかなかないのではないだろうか。勉強にもなるし、アクションやミリタリーが好きな人は特に楽しめると思う。
できれば前作を見てからの視聴を推奨するが、必須ではない。
