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金子文子と朴烈/朴烈(パクヨル) 植民地からのアナキストのyadokariのレビュー・感想・評価

3.7
けしからん映画である。金子文子を韓国の女優が演じるとは。それが凄い可愛いからなおさら。なんで日本で先に作れないかな。まあ反国家的で天皇制を否定するからな。金子文子はアナーキスト。日本から捨てられたという。そして朴烈に共感していくのだが「犬の詩」、死ぬ時は一緒。

日本での朝鮮人差別の歴史を描いていながら映画の本筋としては文子と朴の恋愛映画になっている。日本人の描かれ方も悪い奴ということばかりではない。なんだろう?韓国映画の上手さかな。エンタメだけど社会を描いていて。でもやっぱ一番は金子文子を演じたチェ・ヒソの魅力だった。日本語が上手い。

死刑にされた後に墓は一緒だから結婚しようと言うその朴烈の言葉に、家族を見出す金子文子。孤独な精神に。ポスターになったあの写真は実際に獄中の中で撮った写真を模したもの。裁判シーンの凛々しさにアイドルかと思わせる描写。

もともと金子文子の手記が面白いのだが、日本でこういう映画が作られなく韓国で作られているという映画に対する貪欲さを感じる。(2019年02月18日)
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