金子文子と朴烈/朴烈(パクヨル) 植民地からのアナキストの作品情報・感想・評価

金子文子と朴烈/朴烈(パクヨル) 植民地からのアナキスト2017年製作の映画)

박열/Anarchist from Colony

上映日:2019年02月16日

製作国:

上映時間:129分

ジャンル:

3.8

あらすじ

「金子文子と朴烈/朴烈(パクヨル) 植民地からのアナキスト」に投稿された感想・評価

ニコ

ニコの感想・評価

3.6
ちゃんとまじめに書こうかな。

パクヨルと金子文子、出会うべくして出会った国籍の違うふたりの愛の物語でもあるけれど、思想を含めて、彼らなりの自由と平等、幸福を求めた若者たちの情熱の話でもある。

おおよそ100年前の日本が舞台。
関東大震災が起きた不安と混乱の中に「朝鮮人が井戸に毒を投げ入れた」とデマが広まる。

自警団が朝鮮人たちを虐殺したことは、おそらく事実だろうし、今も遺恨が残る出来事として慰安婦問題や南京問題と同じように定期的に話題になる。

でも、そもそもなぜ、100年前の日本に朝鮮人がそんなに住んでいたのか。それは、日本が朝鮮で土地調査事業を名目に、農民の土地を奪ったから。
その頃の朝鮮には農業以外の産業が不足していて、結果、土地を追われた朝鮮人たちは、生活の糧を求めて満州や日本に渡ることに。日本は日本で、急速な工業化と共に、紡績や炭鉱などで安い労働者を求めていたそう。

もうまさに、大きな歴史のうねり…!!

日本がアジア諸国を植民地化しようとしていたことは学校でも習った。大国から身を守るためだったとしても、やはり当時のことを調べると、日本人がまさかこんなに野蛮だとは信じがたいけれど、きっと受け入れるべき事実なんだろう。

話の中にも出てきたけど、皇太子時代の昭和天皇を狙った暗殺未遂事件は、日本人が起こしてる。通称「虎ノ門事件」。
犯人の生まれはそれなりの名家だったはずなのに、やはり当時の社会のありように疑問を持ち、結果テロリストに身を堕としてる。
この時代のどんなドラマや映画を観ても、憲兵や自警団は酷いし、同じ日本人であっても今とは比べ物にならないほどの差別と搾取、貧困があったはず。
小林多喜二とかもまさにこの時代。彼も拷問死してる。


この映画は決して反日じゃない。むしろ、葛藤する日本人を含めて丁寧に描いてくれてて、日本に対するリスペクトを感じられる。(当時の官僚の水野錬太郎の描き方だけは最初から最後まで超嫌〜な感じ、笑。今も子孫がいるはずだろうけど。)

100年経った日本と韓国の関係は、良くなったとは言い難い。
今もロシアとウクライナは戦争してるし、他にも争ってる国はあるけど、対1人の人間同士としてなら仲良く出来るはずなのに。



金子文子やパクヨルを調べると、映画の描写と齟齬があるようだけど、それでも上っ面ではなく史実に基づいた良い映画だと思う。
KP

KPの感想・評価

3.0
こういう歴史をちゃんと知らなければいけない。2人の生い立ちなどは省かれていたように思うので関連書籍も読んでみたい。
役者の皆さん日本語がとっても上手で、日本語訛りの韓国語というのもリアルだったと思う!
役者さんのお顔がどう見ても韓国人なので、日本人役なのか韓国人役なのかわからなくなる時はあるけど…
あとアマプラで視聴しましたが、韓国語のセリフにしか字幕がついていないが、日本語セリフにも字幕をつけてほしかった…
イントネーションや絶妙な発音の流れでセリフが入ってこない時があるんです😢
marika

marikaの感想・評価

3.8
ずっと観たかった映画をやっと鑑賞。布施辰治もがっつり出てきて一気に期待値があがった(布施辰治に憧れて司法試験受験生だった時代があったので…)。

日本の制作陣でないのに、かなり当時の日本をリアルに再現していたのではないか。関東大震災の描写も本格的だし(東京中の火災が原因で気温が46℃になったなんて知らなかった!)、震災後の朝鮮人虐殺事件なんて日本人がみんな知っているような事柄ではない(歴史の授業でもっとちゃんとやるべきだと思う)から、日本の映画やテレビとかでここまでハッキリ見せられたこともなく、「あー…申し訳ない」としか。

しかし、反日を煽るような作品では全くない。朝鮮(敢えてこう書くけど)の人たちは「敵は(日本の)民衆ではない」「(日本)国家としては腹立つけど、民衆にはむしろ親近感を抱いている」など、日本人に親しみを感じていて、一方でヘイトクライムを憎み、朝鮮の人たちの味方をする日本人が当時もいっぱいいたことを描いており、単に韓国—日本を善—悪という構造にしていないのが非常にフラットというか中立的で良い。朴烈たちの日常を見ていても、日本語混じりの韓国語なのが興味深いし、服装も着物や袴姿だったりなのも、当時はこんな感じだったんだなぁと勉強になる。
そして、朴烈たちは世田谷警察署に連行されていたけど、割と世田谷って左派的な人たちが集まるエリアでもあったのだろうか。井伏鱒二が『荻窪風土記』で「中央沿線方面には三流作家が移り、世田谷方面には左翼作家が移り、大森方面には流行作家が移って行く」と書いていたのを思い出した。

日本人役は日本人俳優にやってもらいたかった、という意見が目立つけど、韓国人俳優があれだけちゃんとした発音の日本語で日本人を演じるってすごいことな気がする(朴烈はだいぶ片言だが)。チェ・ヒソさんも立松判事役のキム・ジュンハンさんも日本に住んでいたことがあるっぽいけど、自然な話し方ですごい。不逞社のメンバーの何人かや裁判長なんか完全に日本人だと思ってたけれど、在日韓国人の方々だったんですね。あと水野大臣も日本人なのか韓国人なのかまったく分からなかった。どんな心境で演じたのかな、とかいろいろ考えてしまう。
違和感があるとすれば、文子が獄中でいつも立膝だったことだけど、朝鮮で育ってるからああなのかな。
朴烈が日本人に「2銭は2”じぇん”じゃない2”ぜん”だろ!」って言われるシーンや大臣の1人が読み上げた「震度7.9(実際はマグニチュード7.9)」ってところはミスっぽい。

2日続けての韓国映画だった。まったく意図していなかったけど、昨日観た映画もイ・ジェフンさんが主演だった。知らない俳優さんだったけど、これも何かの縁なので彼の作品を他にも観てみようかなと思った。
Kasumi

Kasumiの感想・評価

3.8
気になってしょうがない
何が彼女をそうさせたか
これは思想の問題じゃなくて生き方の問題だよ
思想はよくわからなかった。まだ20歳とか22歳とか、いやまあ歳は関係ないです
そんなことよりもこの熱意と勢い
文子がいった、死に向かって走っていてもそれは生を否定することにはならない、死ぬまでの3年間を猛烈に生きた
革命に向かって走った人間は平凡と退屈を生きる現代人より幸せだよって何かの本で見た意味がかなり具体的にわかった
これは頭に残って、気になってしょうがないよ
naiyue

naiyueの感想・評価

4.0
日本公開時に劇場で見ていたけれど、最近金子文子のドキュメンタリーを見たので再鑑賞。
前よりも文子の心情が少し理解できるように。共感しきれないけれど、ひかれるのは女優の魅了か。

できればエキストラも日本人役は日本人にやって欲しかったというのはあり。(ちょいちょい発音が気になってしまい)

それにしても、歴史上では日本はあの時もっと真摯に向き合っていれば、その後の悲劇も避けれたところがあるのではと思わずにいられない。
金子文子と朴烈見ながら、表情筋鍛えたくなってきた。韓国の俳優さんはみな表情筋が鍛え上がっている。豊かで少し大袈裟。ただ魅力的。

金子文子役の女性が何度かする顔を真ん中に寄せてクシャッとする表情が好きすぎて、そのあと何度か真似してる。

ストーリー自体は知っている話だったので、内容はその通り淡々進んでいく映画だった。

忘れてはいけない歴史
明月

明月の感想・評価

3.6

このレビューはネタバレを含みます

大正時代。日本。

アナーキスト(無政府主義者)朴烈(パク ヨル)と金子文子の実話を元にした韓国映画。

朝鮮人に対する差別が蔓延る日本。
2銭を払わず、足蹴にされる朴烈。
にせん、と発音できず、「にじぇん」という朴を「朝鮮人のくせに」と蔑む日本人の男。

「犬ころ」という詩を読んで
文子が朴烈を訪ね、2人は同居し始める。

帝国主義の輩に、蔑まれ、
おでんの鍋をひっかける文子。
秘密結社の爆弾だと文子を抱える朴。

朴と同居誓約を書いて、お互いに拇印を押す。

個人の自由意志を尊重するのが無政府主義者だと話し合いの中で確認する。
文子は、秘密爆弾の件を黙っていた朴を叩き、「同志と認めないなら一緒には居られない」と憤る。

関東大震災が起きた。
震度7.9。
死亡者10万人、負傷者20万人
火災のため、外気温が46℃にもなった。

当局に対応を迫る暴動が起きそうな状態。
前内務大臣 水野錬太郎が戒厳令を発出するよう提言する。
「「朝鮮人たちが井戸に毒を入れました」と誰かが言っていました。」
と御前会議で発言する。
個人的に朝鮮に恨みを抱いていた人物であった。

不逞鮮人(朝鮮人)であることがバレたら、問答無用で自警団と称する者に殺される。
「15円20銭」と言ってみろと脅し、その発音で朝鮮人と決めつけて、竹槍で刺し殺す。
川へ投げ捨て、炎の中に放り投げる。
幼い子どもでも関係なく。

「朝鮮人が無差別に虐殺されている」と総理大臣が水野に抗議する。
水野は、これは自衛だと言い放つ。

自警団は、警察署にまで入り込み、虐殺を敢行している。
全国で3日の間に、6000人も捕まっていた。
これでは日本は野蛮な国と国際社会で非難されかねない。
誰か標的を探せ、と指示する水野。

不逞社が、爆弾を購入して秋に実行する予定だったと証言を得る。

朴は、治安警察法違反で検挙される。
社会主義者と不逞鮮人が暴動を企んで、先導したと。
朝鮮人が暴動を起こしたのに証拠が出ないと我々が困るのでは?と水野。

爆弾入手についての朴と文子の尋問が始まる。
裕仁皇太子を狙ったと朴が自白する。
大逆罪だと大騒ぎになる。

朴烈の取り調べ中に、皇太子の射撃事件が起きる。

不逞社に朝鮮の新聞記者が訪ねてくる。
朝鮮人虐殺が、朴烈の供述でなかったことにされると怒りを露わにする。

文子と朴は、刑務所で書信を交わしている。文子と書簡を交わせなくなると断食して抗議する朴。

法務官が朴と文子の精神鑑定を依頼する。
しかし、2人とも拒否。

断食して、文子と会えるように要求する。
朝鮮にいるお母さんに文子を見せたいと写真を撮影する。

朴烈は、大逆罪で起訴されることが決まる。

朴は、婚姻届を要求する。
死刑になる。遺骨を引き取れるのは、家族だけだ。
故郷に一緒に埋葬してもらえるから、と。

まるで、新郎新婦のような出で立ちで裁判に入る朴と文子。
安寧秩序を乱すからと一般傍聴は退席させられる。

天皇の神性さで国家が成り立っている日本。
悪魔的権力は、天皇であり皇太子だ。
と訴える朴と文子。

3・1運動を隠蔽したように、
朝鮮人虐殺事件を隠蔽しようとしている。
文明社会であるなら、遺骨を探し、軍と自警団を調査せよと主張する。

真相調査委員会を作るという水野。
朝鮮人虐殺に軍も加担している。
軍の責任を問えば、天皇陛下の責任を問うことになる。
早く朴烈を処刑せねばならない、と訴える水野。

朴烈を応援する人たちもあらわれる。

文子は、「朴の本質を知っている。私は朴を愛している。

朴とともに死ねるなら、私は満足しよう。

朴には言おう。
お役人の宣告が2人を分かちても、
私は決して、あなたを1人にしない」

判決は、「死刑」
文子は、「バンザイ」と叫ぶ。

しかし、天皇からの恩赦により無期懲役に減刑される。

文子は、刑務所で書いた文章を託して、宇都宮刑務所に移送される。
朴は、千葉へ。

「生きるとは、ただ動くだけではない。
私の意志で動いたとき、それが例え、死に向かうものであっても、それは生を肯定するものである。」

朴烈は、断食している。
俺を1人死なせないと言った。
文子は、死んだ。

自殺か他殺か、
死因は不明。
自叙伝を1000枚も書いた文子が遺書を書かずに死ぬだろうか?と仲間が疑問に思う。

誰よりも長く生きて貴様らがやらかしたことを全部さらしてやる、と水野に向かって叫ぶ朴烈。

朴と文子が映る写真。
実在の写真が重なる。

1945年、朴烈は解放された。


金子文子役の女優さんが、
めちゃめちゃ日本語がうまくて、
日本人かと思った。

こういう映画を日本人が日本でつくることは出来ないのか?と思う。
出来そうにないと思う自分は、何かの前提や偏見に侵されている。

歴史から学び、二度と同じことを繰り返さないことが人間として生きるということだろう。

あの時代に、日本人の女性がこのように生きたということを知れてよかった。
chacole

chacoleの感想・評価

3.9
大正時代のアナーキストといえば、大杉栄と伊藤野枝くらいしか知らなかったので、この作品を通して、二人のことを調べました。
韓国の俳優さんの日本語の台詞レベルが高い中でも、特に文子役の女優さんと、水野錬太郎役の俳優さんの日本語がネイティブレベルで驚きました。
史実に基づく中には、目を覆いたくなるような描写もありましたが、役者の熱量がパワフルで引き込まれました。
MAAAAA

MAAAAAの感想・評価

3.8
この時代背景や朝鮮人差別の事
めちゃ興味がある事が満載の映画

序盤で文子役のチェ・ヒソの日本語の
違和感ないとこや韓国語が日本人寄りなのに
びっくり!!すごい上手いっ!
ネットで調べてみたら
幼少期に日本に住んでたそうで
韓国語も仮名に直して日本人が話す
韓国語のように何度も発音を練習したと
書いてた!素晴らしい女優さん^_^

さて物語のレビューですが
主人公の2人なんかカッコいい
生きるということの意味を
この時代に必死に見出していたのかな?
シムウンギョンより上手い

文子役の女優さんの日本語違和感まるでなしですね。てっきり日本の人かと思ってました。子供に15円50銭と言わせる場面は生々しくて恐ろしい。こういう作品をできれば日本人が撮れるような社会になればいいのですが。
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