金子文子と朴烈/朴烈(パクヨル) 植民地からのアナキストの作品情報・感想・評価

金子文子と朴烈/朴烈(パクヨル) 植民地からのアナキスト2017年製作の映画)

박열/Anarchist from Colony

上映日:2019年02月16日

製作国:

上映時間:129分

3.9

あらすじ

「金子文子と朴烈/朴烈(パクヨル) 植民地からのアナキスト」に投稿された感想・評価

自分の無知を痛感させられると同時に、当時の日本にこんなにクールでエネルギッシュでチャーミングな2人がいたことを知られて、今作には感謝しかないです。
白眉は死刑を宣告されるシーン。死刑を言い渡されているのにも関わらず、こんなにも昂ぶってしまう感情の正体は一体。
thecity

thecityの感想・評価

3.4
自分の中に固定観念を持たずに何かと向き合うのは本当に難しい。
世界はおかしいことだらけで、愛とか宗教とか民族とか仕事とか金とか政治とか何かに狂っている人の方がよほど生き生きとしてまともに見えることすらある。
人には大なり小なり権力に疑問を持ち反抗した経験があると思う。そのときの泥に拳を叩きつけるような、波紋すら起きないのに自分にはダメージがあり、どろりとゆっくりと身体が泥の沼の中へ沈んでいくような感覚が恐ろしいほど伝わった。
日本人役の方の韓国語訛りは気になって、韓国の方が日本人役と韓国人役に分かれて劇をしているのを観ているような感覚になったので、勿体無い気もする。あるいは、多少訛りは残っても演技を優先したという考え方もある。下手な日本人役者を起用したり、制作サイドに日本人が増えて日本人の主観が入ることの方が残念かもしれない。
文子役の女優さんが池脇千鶴さんのような感性的で惹きつけられる方だった。
平成-令和と生きている今に見て良かった本作
元号が変わる際、天皇制について調べていた事も有り頷いてしまう点もあったり、すごく複雑な心境で見終えた。
国民の血税が注ぎ込まれている。だからと言って国民に施しがあるかと言われれば殆ど無い、ように思える。
私としても得したことあるかって言われたら直接的にはどうだろう。
日本人ということで良いイメージを持たれる事があっても暮らしが豊かになるわけではない。
声を上げる者、それを弾圧する者
これが100年程前の日本で実話ということもやるせなくなった。
あと日本語がすごく上手くてびっくりした。
hahwa

hahwaの感想・評価

4.0
歴史を知ることの大切さ、無知の怖さを再確認できる映画やった。今の自分がこんなに強い思想だとか信念を持ってるかと考えさせられた。絶対繰り返されたらあかん歴史やしみんなが知るべき事実やと。
マオ

マオの感想・評価

4.1
鑑賞前にきいたセッション22でプレイディみかこさんの著書「女たちのテロル」の紹介されてた。そこで金子文子のことも話されててテンションあげて臨めた。

大逆事件といえば幸徳秋水、くらいの知識しかなかったから知らないことばかりで驚き、怒り、たまらない気持ちになった。
終始いたたまれない気持ちではあったけど二人のパワーと怒りだけではない絶妙な演出に救われた。

法廷での裁判官の衣装が見慣れなくてえ?ってなった。当時の法服は(私には)とても大陸的に感じられ裁判のちぐはぐ感が増幅された。

二人は何もやってない。事前の計画の状況だって曖昧だ。当時の法律では計画段階でもアウトだかららしいけど、この間成立した共謀罪もこんなんだったはず。花見に地図と双眼鏡はマズいとか。

あの頃からちょっとはマシになってるのかなあ。

今この映画みることができて本当によかった。
mountain

mountainの感想・評価

3.5
チェ・ヒソさんの金子文子の演技が見ていてワクワクした。この前のアジアン映画祭で観客の皆さんにこの映画見ましたかーって聞いていた時に、周りの人達が微笑ましく笑顔で良かったよね〜と言い合ってたのは、人々を惹きつける、時々クスリと笑える映画だったからだと思いました。
日本人としてこの時の事、謝りたくなる瞬間もあったし、悲しくなる時もあったけど。
メタ壱

メタ壱の感想・評価

3.3
1923年、文子と朴烈の恋愛と関東大震災をきっかけに大きく変わった二人の運命を描いた、実話を基にした作品。

民族の奮起とアナキストとしての強い意志を持った朴烈だけれど、観客の心を打つのは、そんな朴烈に全てを捧げるというもしかすると彼以上に強い意志をもった文子の姿なのではないでしょうか。

芯のぶれない、ある種の自信を持った強い女性ってなんだかすごく魅力的にみえるんですよね。

また、この作品で考えさせられたのは作品を観る視点について。

多くの人間としての普遍的なテーマを扱った幅広い人にある程度同種の感動を与えられる作品と比べると、この映画はその逆。

本作は韓国映画であり、民族的な要素がかなり強い為、同じ作品でも韓国人が観るのと日本人が観るのとでは受け取り方が全然違うように思います。

正直、日本人の僕としては観ていてシンドイ場面も多々ありました。
なので、この作品を観るにあたって自分の価値観を拡張する必要がありました。
一方の視点でみるのではなく、もっと広く俯瞰的な視点と価値観で観なければ一本の映画作品として客観的に考える事が出来ないと思ったからです。

それはなかなかに難しい作業ではあったものの、この事は自分にとって新しい体験であり、今後の映画ライフに影響を与えたような気がしてとても有意義な経験になった気がします。
Rosalie

Rosalieの感想・評価

4.0
金子文子役のチェ・ソヒさんの
溌剌とした演技が素晴らしかった!
文子の魅力を
余すことなく伝えてくれたと思います。

「権力への抵抗」や「人間の平等」に
焦点化されていることで
思想や信念を貫くふたりの高潔さが
表現されていました。

民衆に罪はない。
所属や人種ではなく
個人の心のあり方が問われる中、
金子文子は、
その象徴として輝いています。

恋愛に重きを置くのではなく、
同志としてのパートナーシップが
中心というのも良かった。

関東大震災後の
15円50銭…の場面では
本当に胸が痛くなりました。

その後に、
韓国の方が演じる日本人が
登場しますが、
どの方も発音が完璧で
びっくりしました!

金子文子役のチェ・ソヒさんや
水野役のキム・イヌさんは
日本に住んでいた経験や
在日3世ということで
日本語が堪能でいらっしゃる
そうですが、
それにしても
この滑らかな発音は凄い!
その他の方も!

文語体のような語り口も多く、
難解な語彙も散りばめられていましたが、
イントネーションに気を取られ
集中を欠くということもなく
鑑賞できました。
ほんの少しのニュアンスで、
韓国の方が演じられているのだと
分かる程度です。
そこにも感動してしまった…

正義や自由を求めて闘った
両国の魅力的な人々が描かれています。
迸るような熱い生命力を
感じる作品でした。
kazmi

kazmiの感想・評価

3.5
日本語や服装に奇異な点があって、その分入り込んで見られなかったのが残念なほど、熱意伝わる作品でした。
金子文子がすごくキュート。ちょっとディズニーのヒロインぽいかも。言ってること過激だが。
nccco

ncccoの感想・評価

4.4
これはすごい。1回観て圧倒されて、寂聴先生の本読んでもう一回観た。
何がすごいって、主演二人の圧巻の演技力と、スクリーンから迸る猛烈なエネルギーだ。

ものがたりは、二人のバックグラウンドや馴れ初めを全部端折って関東大震災から始まり、その後の投獄、取り調べ、裁判・判決と、怒涛の勢いで朴烈大逆事件をなぞっていく。
その過程で描かれるのは二人の愛とか恋とかそんなものじゃない。真っ黒な国の陰謀と時代のうねりに巻き込まれながら、それを利用しそれに立ち向い信念を通そうとした、自らの痕跡を必死に残そうとした、純真な若者たちの勇気と覚悟の軌跡だ。

幼いころに朝鮮半島で血縁の女に手ひどい仕打ちを受け、世の中全てを憎んでいた文子の持てあますほどのエネルギーが愛情という名のもとに朴烈に注ぎ込む。きっと、文子にとっては大逆事件も社会主義もどうでもいいもので、色んな事件がむしろ朴烈を繋ぎとめるための道具になったに違いない。
朴烈はといえば、純粋なアナキストで、信念がすべて。どん底を生きてきて、ようやく名を成す機会が不幸にも大逆事件であった。女としてよりは、同志として文子を愛したことだろう。時代の必然性が二人の利害を一致させ、二人を繋げた。その不安定な一瞬のきらめきの中で、同じ想いを燃え上がらせた3年間は二人にとってどれほどの幸せであっただろう。

イ・ジェフンの大胆不敵さがたまらなく魅力的だ。
チェ・ヒソがとんでもなく美しくて、チャーミングだ。

この時代のエネルギーがそのまま乗り移ったような魅力的なキャスト、情熱的で力強い演技。この二人を演じるのにこれ以上の適役はないと思わせる、素晴らしい配役。
裁判の演説のシーンは、ほんとうに素晴らしくて、圧倒されっぱなしだった。

刮目せよ!このエネルギーに。
名作です。
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