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寝ても覚めてものazのレビュー・感想・評価

寝ても覚めても(2018年製作の映画)
4.0
ドライブマイカーの予習として観ました。

映像が灰色というか暗くて、時間帯や天気が分からない。夜明けなのか昼なのか、晴れてるのか雨なのか。
夢か現か微妙に分からない、そんな世界観でよかった。
あのぼんやりとした色彩は何か夢みたいな曖昧さで心に残るというか、時々ふとした時にこの映画のことを思い出す気がする。

相手の言葉に対して、何度も「分かってる」と相槌するのが1番自分のことを分かっていないことをあえて強調してるみたいだった。
違う人間に取り憑かれたみたいな、自分ではない自分になる瞬間。誰にでもあることなのかな。
どちらが本当の自分なのか分からない瞬間。
憧れのものに心揺さぶられる瞬間と、日常の大切さを思い出す瞬間と。
うまくストーリーの中で非日常的なものと日常的なものが混在していてよかった気がする。
非日常的な海と、非日常的な震災。数年ぶりに会う行方不明の恋人。身近な幸せに気づかせてくれるのはいつでも非日常的な何かなのかもしれない。
最終的に生活感漂う川を綺麗と表現したのがそういうことなのかなと感じた。

唐田えりかのふわふわした、派手ではないけどクラスにひとりいそうな大人しめな可愛い女の子という感じのあの雰囲気、声から漂うふわふわ感、、、なかなかよいと思った。
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