うえびん

寝ても覚めてものうえびんのレビュー・感想・評価

寝ても覚めても(2018年製作の映画)
4.1
水脈を掘る

2018年 濱口竜介監督作品

キャスティングがとてもよかった

スキャンダルな報道があったので
敬遠していたけれど
全く気にならず

自然


言葉
感情
仕事
芸術
動物

全てがフラット
同じ程度に描かれている
そんな印象を受ける

人が生きる熱気
生活環境に湿度が感じられない

だから
波打つ海や
流れる川や
降りしきる雨に

人の感情的な湿り気が投影される

時間が流れる
空間を移動する

とともに
人の感情が揺れる

激しく波打ったり
人に流されたり
涙に濡れたり

「大事なんやったら大事にしたらええ」

シンプルな言葉が
力強く背中を押す

“ゆく河の流れは絶えずして
しかももとの水にあらず“

人の心の深奥にある共通の水脈

『ドライブ・マイ・カー』同様
濱口監督作品は
日常世界(浮世)と異世界(常世)を描き
2つの世界を行きつ戻りつしながら
人間の本質を浮かび上がらせる
うえびん

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