水脈を掘る
2018年 濱口竜介監督作品
キャスティングがとてもよかった
スキャンダルな報道があったので
敬遠していたけれど
全く気にならず
自然
街
人
言葉
感情
仕事
芸術
動物
全てがフラット
同じ程度に描かれている
そんな印象を受ける
人が生きる熱気
生活環境に湿度が感じられない
だから
波打つ海や
流れる川や
降りしきる雨に
人の感情的な湿り気が投影される
時間が流れる
空間を移動する
とともに
人の感情が揺れる
激しく波打ったり
人に流されたり
涙に濡れたり
「大事なんやったら大事にしたらええ」
シンプルな言葉が
力強く背中を押す
“ゆく河の流れは絶えずして
しかももとの水にあらず“
人の心の深奥にある共通の水脈
『ドライブ・マイ・カー』同様
濱口監督作品は
日常世界(浮世)と異世界(常世)を描き
2つの世界を行きつ戻りつしながら
人間の本質を浮かび上がらせる