ユカリーヌ

望郷のユカリーヌのレビュー・感想・評価

望郷(2017年製作の映画)
3.5
【過去に観た映画】2017.11.11

上映後は、原作者の湊かなえと
監督の舞台挨拶があった。

1話目の「夢の国」は、色合いを抑えた画像のグレー感に内容の暗さが重なり、重く、息苦しい。

嫁や孫娘が楽しむことを許さない姑。
島や家に縛られた女たち。
置かれた状況により女は、娘、嫁、母、姑と変わり行き、個を失っていく。

最後の海を望む山からの眺めで、やっと安堵する。


2話目の「光の航路」も暗い。
いじめのシーンからは、涙がとまらない。

造船所のある島なので、進水式になぞらえ、語られる人生。
どんな小さな船にも進水式があるよう、どんな人にもこの世に送り出される時は名前という贈り物と共に祝福に満ちているはず。

人生は嵐もくれば、立ち行かなくなる時も来る。
そんな時、寄り添う人がいて、
「ずっと見てるよ」と言われたら、また、進んでいけるのかもね。


原作者は、映画を褒め、
監督は原作を褒め称える、ほのぼのした舞台挨拶であった。

イヤミスの女王と言われるけど、湊かなえさんご自身は、
明るく、よくしゃべる素敵な方だった。


パンフレットには、湊かなえと菊地監督のサインをいただく。
ユカリーヌ

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