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人造人間ハカイダー ディレクターズカット版のmitakosamaのレビュー・感想・評価

2.9
雨宮慶太によるキカイダーの悪役ハカイダーのトリビュート作。
物語は完全新規で、ジーザスタウンなるデストピアを支配する独裁者を倒すという物語。
のでハカイダーのリデザインが最大の見所。雨宮デザインは流石です。石ノ森の意匠を残しつつダークヒーローとして説得力ある凶悪な面構えは震えるほどかっこいい。バイク(ギルティ)もYAMAHAのVMAXというマニア好みのセンスの良さ!ビジュアリストとして旧共産圏SFのようなバジェットに、当時のアナログ特撮を駆使したビジュアル作りは見応え充分。

しかし如何せん物語がつまらなさ過ぎる。脚本が井上敏樹だもんな。独裁者のグルジェフってのがいて、ハカイダーも元々は彼の兵器だったが造反。グルジェフに忠誠を尽くすのは別ロボットのミカエルなる者。
反政府ゲリラと関わるが、ヒロインの宝生舞が可愛いだけであまり物語にも深く絡まない。

ハカイダーも説明も無くただバイクに乗って、追ってくる連中を銃を撃ってるだけ。
アクションも絵作りの面白さを追求したのは判るが、どうにもモッサリし過ぎ。

敵にミカエルを用意し、隠し玉で赤青のキカイダーの意匠を模したラスボスを用意したのは良かった。
巨大キカイダー風メカがストップモーションアニメの合成で、ロボコップのラストバトルと見ている様な臨場感があったね。
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