TaiRa

さよならの朝に約束の花をかざろうのTaiRaのレビュー・感想・評価

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『あの花』も『ここさけ』も観てないので岡田麿里の作家性とかはよく分かってないです。

10代の姿のまま数百年生きる種族イオルフの少女マキアが人間の子を育てる。『ベンジャミン・バトン』や『ぼくのエリ』みたいな時間のスケールが異なる二人の物語。イオルフは「別れの一族」と呼ばれている。つまりは「サヨナラだけが人生だ」な作品。ファンタジー作品だがタイトルが出て以降は(そこまでが意外と長い)、現実的な10代のシングルマザーの話になったりする。どんどん進む時間の見せ方は子供の成長過程に頼っている気もした。後半になって来るとどれだけ時間が経ったのかが、直ぐには分からなくなって来る。ジェンダー観とかは少し考えちゃう。なんだか古く感じる。男に戦争、女に出産って割り振り方など。あと男性嫌悪も感じる。それはそれで日本人女性の素直な感情なのかもしれないが。冒頭観て、ゆくゆくはマキアが「飛び降りる」のかと思ってたがちょっと違った。最初にマキアが「飛ぶ」のは自発的ではないので。息子が母親を他人だと知ってから、身体的には同年代という事もあって恋人のように見えて来るのが良い。ラストも含め大林宣彦っぽいかも。母と息子の映画。最後のあれはズルい。

脚本家が監督したからか言葉に頼ってる場面が多いのが気になった。でも初監督作でこれなら十分か。
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