バナバナ

ヴィクトリア女王 最期の秘密のバナバナのレビュー・感想・評価

3.0
ヴィクトリア女王は夫亡き後、『Queen Victoria 至上の恋』(未見)で使用人なのに女王から寵愛を受けたジョン・ブラウンも亡くなり、
女王陛下が80代に入った時に、インド人の使用人アブドゥル・カリーム(愛称ムンシー)が何故か寵愛を受けるようになる。

ヴィクトリア女王は「私の周りは出世狙いのおべんちゃら人間ばかり」と怒っていたが、このムンシーさんが女王に気に入られてから、家はもらえるし、奥さんは国から呼び寄せてもらえるしと、無茶苦茶優遇されちゃうのよ。
こりゃあ、ムンシーさんより前から働いてた人が気を悪くするのも仕方ないかも(汗)。

映画ではインド人の背の高いハンサムな俳優さんが演じていたが、
エンドロールに出ていた実際の写真を見ると、映画の様にとりたててハンサムな訳ではない。
しかし、最初に女王の靴にキスをしたりして、
「あんた、相当気に入られようとしてるよね。仕向けてるよね」
と言いたくなる態度なんである。
本当にこんな事したの?と思ってしまった。

でも、写真の雰囲気からすると、あまり女王だと思って特に緊張する事もなく、おしゃべり上手な人だったのかな、と思わないでもない。
ジョン・ブラウンの映画も観てないけど、写真を見ると気さくそうな感じの人なので、ヴィクトリア女王は素直に意見を言ってくれる人が好きだったのかな、という気はした。

私が別の映画サイトで、ムンシーが出だしで女王の靴にキスした気持ちが分からないと書いたら、Baadさんからコメントを頂き、理由が分かった。
ムンシーはイスラム教徒なので、インド各地に居るヒンデゥー教の王様は眼中にない。
どうせ自分が仕えるなら世界の帝王に仕えたかったのだ。
ビクトリア女王は世界中に植民地を持つ帝王であるので、自分が仕えるに価する唯一の王なのである。だからムンシーは仕えられることを喜ぶ余り、女王の靴にキスしたという事だった。
なるほど、双方WinWinの関係だった訳ですね。

…と、私が一番引っ掛かっていた謎は解明したのだったが、
映画としては、淡々と時が過ぎていき、特に盛り上がりはなかった。
だが、ロンドンを好まず、田舎の居城に隠棲していた女王のお城や周辺の景色は凄くきれいだったので、癒されました。
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