フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法のしゅんのレビュー・感想・評価

後半の展開を決定づけるバスルームのショットの連続。あの不穏な平穏がはじまる直前に、画面に映ったのはモーテルの上に大きくかかった虹。ヘイリーが一人テレビを見る部屋で、壁の色がなんの理由もなく青、黄、紫、緑と変わっていく場面。画面的効果を巧みに脚本とリンクさせるショーンベイカーの力に感服。しかし、「アメリカのチェーホフ」と呼びたくなるような本当に堂々としたストーリーテラーっぷりだな。

ディズニーの裏側の世界という点で『ケンとカズ』と比較したくなる。夕方の空も紫色なのがすごくいい。