Itotty

フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法のItottyのレビュー・感想・評価

3.7
とあるフロリダの安モーテルに暮らす子どもとお母さんの物語。
子どもの視点を中心にして、そこに生きる人たちの暮らしぶりを垣間見るようなドラマでした。


フロリダって聞いて、自分はアメリカの都市名ってことくらいしか浮かばなかった。
舞台となってるモーテル周辺は芝生もきれいに整えられ、結構治安も悪くなさそうに見える。

でも何か違和感がある。
母親は刺青だらけ、青髪。
子どもたちは日中から遊び回り、1つのアイスクリームを交代でシェアする。
レストランの裏口や、NPO?配給の食料をもらうことも。
つまり、1つの貧しさの形なのだ。


彼らの暮らしぶりをみて、どう感じるかは人によって大きく違う気がする。
私は彼らをみて、たくましさを感じた。

大学生の時訪問したカンボジアを思い出す。
カメラ好きそうな子が写真を撮ってきて、それをすぐに現像して売りにだしてきたこと。
体のやや不自由な高齢者が、幼い子どもを前たたせてお金をくださいと声をかけていたこと。
彼らの姿を見て、いろいろな思いが湧いた上での最終的に残ったのは、人々のたくましさだった。


本作の親子は、決して世間から見て満足いく暮らしぶりではない。
けれど、子どもたちにとってはそんなことは関係ない。遊びも悪さも全力投球だ。

貧困という状況ゆえに、困難は後を尽きないと思う。
特に感じたのは、教育がないゆえの貧困の連鎖は、簡単には絶たれないかもしれない。


環境が違いすぎて、登場人物たちの思いに寄り添うことは難しい。
ただ、現実にこのような世界があるならば、どうかそこにいる人たちがこれからもたくましく生き抜いてほしいと強く感じた

ラストのムーニーの姿を見て、強く感じた
Itotty

Itotty